第51番「幽霊旧舎」

退神暦3152年
神昇りて魂魄澄み還る節の1週2日
シェイ=ラアのとある街路にて

なんの前触れもなく、数十歩先の大地が1米程度裂ける。
続けて数歩手前が裂け、
間隔を空け また数十歩先が裂ける。

(見えない何かが近づいている。)

リリィの2m前が裂けた刹那、衝撃波が襲う
「石化の衝撃波、これは!!」

リリィ『偽りの衣を捨て わが前に姿を示せ』
 リリィの眼前には土竜サーペント・ワーム出現


??『もう、よい』
と土竜は煙化し壷に吸い込まれていく

地面に浮かぶ
黒く歪んだ影から半身の
ローブを纏う一人の青年
両目とも深い傷でエグられている。
「われは眇の法師フゥ、
シェイ=ラァの准導師リリィよ 
お初にお目にかかる」
フゥは互いの袖に腕を入れ、
軽く会釈しながら、その両腕を揚げる
リリィ「こりゃ、どーも」
そしてフゥの全身が現われる
フウ「我ら眇は
貴公を我らが同胞に
選抜せんがため、
今、抜き打ちの臨戦審査
を行った次第にて」
リリィ「あっ、それはもしかして」
フウ「うむ、乙第を与える。
以後は世界の倫理を司る博師を名乗り
国益を越えた世界の統べを鎮護せよ」
リリィに喜色が浮かぶ
リリィ「はい、無論その光栄を承ります。が・・・」
フウ「汝が、導師の格を欲することは承知、ならば
皇都イスカーナ報管区に立つ
博覧院(学院に所属していない導師の会所)への立ち入りを許可する
上令あるまでは任意の導師につき召導を修めよ」
フウ「なお、今後、授業料なぞは、お役にて御免となる」
リリィの頬に1筋の汗と笑みがこぼれた
(このときみどり色の指輪を受け取る)

リリィ イスカーナの報管区に引越し
銭湯のおばちゃん「お博さんとは、えらく出世したものねぇ」
銭湯のおばちゃん「じゃて、お法師さんとなるまでは
暫くあえないねぇ」
* そう、博師は法師に出世するまで仮面生活である。
この大陸では眇とは隻眼の意味と
仮面の意味と二つある

退神暦3152年
神昇りて魂魄澄み還る節の2週2日
キーフェ
ある舞踏館を借りて新任式と
昨年の第854回周期 学院模範生徒 勲与式
光 スパーク=ルクレア
陰 アヤメ=デュリアート
陽 イークリナ=シルエット
風 アンジェリナ=ナイトロ
火  ルカ=アクレクティア
水  アヤメ=デュリアート
木 チェリオ=キーツ
土  アヤメ=デュリアート(噂では光を除く八門全て高位らしい)
呪禁  アンジェリナ=ナイトロ
総首席 アヤメ  総次席 アンジェリナ

に決定
(前日の午後は決まって休み)
フレスディルス 欠席
陽門 ラムリィ 治癒聖殿へ
火門 リジェーラ 出席(ただ酒が目的)
陰門 欠席  着任準備に負われているやらで
土門 石仮面のエヴァ(いつも遅刻 いつのまにかあらわれる)
木門 ディアン  出席
水門 レイミスト ラスが代理
風門 シレーヌ  出席
光門 キーフェ
キーフェ
"サクソニアの錬金博師"
シオン=フレアネクを陰門導師に招集
得意単元「単式陰門中立」(通称 終期に学ぶ)
を先に済ませ 
これを会得しなければ講習を受けてはいけないと
(まぁ、無視して受けにきても文句は言わないが・・)

ガイ(コバルト)、エヴァの護衛として館に登場

2階にて腰を落ち着けているディアン
ディアン「フゥ」
コバルト「シェイ=ラァの導師ディアン・・・か、
俺好みの"唇−ルージュ"をしているな・・・」
コバルトは兜を脱いでいる
ディアンはその容貌を一瞬 垣間見ながら
ディアン「あら・・・そういうあなたは噂のガイさんね」
コバルト「(1階を一瞥して)ここは蒸し暑い
氣分を変えて飲みなおすのに
付き合ってくれないか?」
ディアン「いいわ じゃ 
私の行きつけの店にでもいきましょうか」
とコバルトはディアンをエスコートして下に降りてゆく
一階においてはそんな二人に視線が集まるが
二人は氣にしないまま外への扉を開けた

『命失せし語り人』亭
通常の客が引き始める頃
外では馬車の蹄の音
ディアン、コバルト登場
二人とも盛装
カウンターにてグラスを交わす
ディアン「何を注文します?」
コバルト「何が欲しいかって?あんただ」
ディアン「・・・フフ、あなたも情熱屋でありまして?」
ラヴィーザ「それとも、只のサカリの憑いた・・・」


ごつぅ!!

とラヴィーザが座るデーブル上の
吊り棚の荷が落ちてくる
ちなみに棚は木製
(げっバレてる?)
コバルト「・・・察するところ、シルバーにでもあったのか?」
ディアン「ええ2、3日前に、あの不思議な詩人さんも知り合いでして?」
コバルト「悪ダチ・・・かな?」

カウンターにて二人はグラスを交わす
今は夜もふける頃
リュイスは今日は先に休んでいるらしい
ディアンはマスターに目配せして
マスターは奥に退場
ディアン「貴方に関しては色々、通達がきている事よ」
コバルト「禁界よりの違訪人"コバルト"を主体とする多重生命体
ってのじゃ不満な分析かい?」
ディアン「・・・そうね、侵略が目的なら、すでにその指にある御剣公の"次元輪鎖"を用いれば、我等が芯蔵部に直接行けばすむものを、不可解ね」
コバルト「大真面目な、追放の洗礼を受けちまったら、それ戦争でもいいんだけどな・・・まっ色々観察もしたいところだし・・・」
とディアンを一瞥
コバルト「氣にいっていることもある・・・それに、昔から引き金は処界の"当事者"ってのが、俺主義でね」
ディアン「私たち"眇"は貴方達の抹殺の為にこそ、その存在があるのよ」
コバルトはやや強めの口調で切り返す
コバルト「そんな暇があるなら、はやくこの世界の泪をとめてやりな」
しばらくの沈黙
ディアンは考える。代々魔道エクサーリィが家系より古くからの言い伝え、この世界の"腐触"の因は違法の力からの汚染にあり・・そうではないの?・・・これは惑わし、よね・・・。
ディアン「・・・。今の私の魔力では捕獲さえ無理みたいだから、じゃ、戯れついでに今度は歴史に消されたガイ=ファスピアのリマジオ暗殺密命の"その後"を教えて下さるかしら」
コバルト「・・・・ああ、別にもったいぶる理由もないしな・・・イスカーナ大皇国の小貴族ファストラム=スピア家の五男、ガイ=ファスピアがイスカーナの近衛騎士 ルーンの剣 "黒一番" として奉公し、リマジオ暗殺未遂事件後、城下でリマジオ派の農民に刺殺されたというのが、ファスピア本家に報告されたのが表の歴史だったな、実際はルーンZ世の密命を帯び、その失敗後、重症を負いながら東の遥か孤島 タスカム島に漂流し、そこで木彫り食器職人として、くらしていた、が、先日、ふらりとファストラム=スピア家に帰ってきて、魔道学院に留学したいと要求、しかし、小貴族ファストラム=スピア家、誇りはあれど金はなし、ガイ=ファスピアの戦災金もイスカーナに返還するので、ファストラム=スピア家、長男タイ(次男ナイ、三男サイ、四男ゾイ、六男ガイ=ファスピア ガイ=ファスピアは食い扶持をもとめて密偵家業)はイスカーナ大皇国の宮廷魔導師に相談、その人の取り計らいでガイはシェイ=ラァの魔導師、幻門のエヴァから教えを受け、代わりにその導師の護衛を受ける条件で登院するようになる。・・・俺の中にいるガイの記憶はこんな所だが・・・」
話の途中 うとうと していたディアンだが
やはり睡魔の腕にいだかれてしまったようで
コバルトは
ふぅ
と一息つくと
マントを外し
それをディアンにかけ
「あと一刻で向かえの馬車がくる、あとはよろしく
・・・それとリュイスあの娘に
どうしてもなら、なら
この薬(血)を渡してやってくれ」
「異界の魔薬でよければ な・・・」
と店を出て行った

コバルト「時代が歪み、平時なら安寧に生きるものたちか・・
(夜空を見上げ)我等"存在"が罪・・・。その為の魔道"総動員"
上等だ・・・そうやって、抗ってみな
何か道が明けるかもな・・・」

退神暦3152年
星霊大地に降りる中節の1週1日
シェイ=ラアの朝市にて

コバルト リュイスと対面
コバルト(シルバーの手伝いで)大きな荷車を引いている
荷車には脚を骨折した牛2頭が乗っている
コバルト「あんた、望みはないのかい・・・
まあいい、俺を必要とする日もくるだろう」
コバルト「なぜ?あんたの笑顔が
見たいからさ」
リリィ「???」
通りの向こうでシルバー
「おーい、道草すんじゃねーぞー
あ そーれ
娘さんよく聞い〜けよ
ってか」
ふたたび荷車を引いて甲冑の男 退場



事件、発生
それは4、5年前のこと
構内には
広い空き地があり
そこには
封じられた旧学舎が現れた
学院は調査を開始
以後、音沙汰なくなるが
最近
夜になるとこの建物が
再び浮かびあがり
その窓からあやしい漏れ灯が
現れるらしい
(これは窮鼠になったグラスが
強引に学院とギルド連結リンクした
結界の一つ"旧舎"を開放し
この建物はギルドへの扉だけでなく
学院の屋上には外界への門を開く
曼結同があると伝えられていて
グラスは外界に逃亡しようと考えた)

コバルト、エヴァから招集
エヴァ「彼の化楼
ついに浮揚す
是非 目で観
査定をしたく・・・」
コバルト「・・・」
エヴァ「この未開域
互いに思うべき処
でありましょうから・・・」



ラヴィーザ 先のサクソニアで廃工場で見かけた
「あやしい兄ちゃん」シオンを個人的趣味で追跡
地下1階に到着

入り口のない部屋には
更に下に降りる螺旋階段
その三階には柵がしてあって
「この先 危険 許可なく立ち入り禁止」
という掲示板が浮かび上がる
柵をこじあけて暫くいくと
目前で何か発光を捉えると同時に、ラヴィーザの後頭部に鈍い衝撃がはしる。
 一瞬、視界がぐらついてラヴィーザは頭を抑えた。霞む視界の中で捉えていたのは、宙に浮いていた手首から先の右手だった。右手はラヴィーザを殴ると、そのまま塵と化して崩れさった。
リ=ゾワン(五臓六腑系)
*本当はグラスを捕獲するために仕掛けた
コバルト、ラヴィーザを救出
シオン「フフ・・・キレいですね 
あなた方の息吹サマは」
転送結界
シオンの研究室 同人登場
コバルト「この氣持ちの悪さ・・・なつかしいってやつかな・・・」
研究所の"感性"に、内に隠した"悦"びを感じながら
コバルト「空を解き 手鉤を込みて 擬態を送る 
蜉き変え手の術を 処所でみるとはな・・」
シオン「フ・・・・黒き屍塩を媒し 距空を穿つ禁呪
これはそのような、名があるのですね」

「蜉き変え手」の術

「真似たい」手で
粉化した重油と微粒塩を調合した粉
を揉みながら摘み立ての青い楓の葉に落とし
「義手」を形らせ1枚の「札」をはり呪を唱えると
術者の手に似た義手に仕上がる
術を唱え空間に穴をあけ義手に「シュートアロー」を放ち
術者の手も穴につっこみ穴の「栓」をしつつ(だから手が消えてみえる)
対象の空間(ラヴィジの後)を開ける術を発動
札に込められた呪文で
対象の空間の穴を塞ぎ(札は発動すると消える)
義手が対象を攻撃すると義手が崩れる魔法

コバルトの延聴(こいつ、体内なかの精霊の統制が 不自然に 整い過ぎている)
さらに霊視(・・・なるほど、寄生虫霊を取り込んで そいつらに生かされてやがるな)

こちら1Fの旧院長室前の廊下で
エヴァ、フレスディルスと遭遇
エヴァ「私も副学院長室を
(院長室を指差し)ここに移そうと思いまして」
フレスディルス「・・・(笑顔で)
物の怪どもよ
お主らは一体
何をたくらんでおるのじゃ?」
エヴァ「・・・はて?・・。
いや まぁ
翁にもあたれましては今後とも
色々深きご指導のほどよしなに」
フレスディルス「ふむ、その前に
この脳水も何やらか邪氣に触れ
干からびておるかもしれんがの」
エヴァ ご冗談を と口から溢し
 梳く席を立ち、ドアにノブを手がけると
「この こわっぱ」
と一葉を残し 室 に入っていく
フレスディスも遠目で
「うっさいんじゃい ぼけ」
と姿無き者に言葉を投げた

地下深くの禁界門の前に
広間があり
左からマファーレンの弟子
サウンスローク(盾役)
ジェネタイト(ジェネリラのドール)
エクトマイズィリィの部下
ニートカンサス(矛役)と並び
シオンと
禁界睚使 尸解衛門 ファー=イーラが
下座で膝をついている
シオン「標的は 禁界において 収利八と呼ばれる魔神の模造人
その陰を曳く魂力は 無尽の域」
ジェネタイト「それが 現時における結果であるな」
シオンは微笑のまま
ジェネタイト「では 今は応ずる術もなき・・・」
ファー=イーラ「一方は 美男僊なる
界隈を嘯く  由漂の化生
その何処吹く魂胆は 意図不可思議」
ジェネタイト「では 今は応ずにも及ばん・・・」

退神暦3152年
星霊大地に降りる中節の1週3日
幽霊旧舎の屋上にて

逃げるグラス
曼結画を見つけ
「!!(これは)」
頭 既に白髪で 全身老化が始まる
両目 既に見えなく
右腕 既に壊死で一の腕から既に
原形留めず
終に動けなくなり
背後に影が一つ・・・・






第51番 栞吟

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