シリアとその一味戦記外伝 ジャナセリア・ワールドノベル

「 炎・武・煌・将 〜 Burning Warrior 〜 」

             −  一  − 

 光がいっさい通ることのない世界。妖魔の極限、魔族のみが存在を許されし世界。現、妖、精の三代世界とは次元の離れた世界。夢、幻の世界の一端。− 魔界都市 − 暗雲立ちこめる遥か向こうに見えるこの魔界都市から始まる、果てしなく続く無数に蠢いている髑髏を縁にした魍魎の暗黒道に、一つの人影と数百の群がった影が見える。数百の影は何故一つの影を追っているか、そんな理由などはない。ただ一つの影が苦痛の叫びをあげ、逃げていく姿がとっても心地よく、楽しいのだ。どこまでも追っていく、この世界には死はない。怒り、喚き、憎悪という感情のみが体を動かす…。一つの影は段々と姿を消していく、数百の影はただじっとその場に立ち止まるがしばらくすると、魔界都市の方へと向きを変えた。

それから約八百年後……

「雪……」
 馬車の内窓から見えた雪娘達のしらべを、うすらぼんやりと眺めているフェレアはふとあることに気づいて微動ながら憂いの表情を作り、奥にかしこまって座っているローラ・ドーロに静かに語りかける。

「いかん、すぐに抵抗精氣を高めろ!!」
『雷帝よ 汝の息吹にて、かの者を焼き尽くせ!!』
兵士が気づくよりも速く、兵士の体は炎の嵐の渦に巻き込まれて、まばたきしないうちに見るも無惨めな姿になってしまった。
 間もなくすぅーと浮いた人影が現れ地に足をつけ降りて来る、その妖卯(エルフ)に似た容姿…で褐色の肌、妖狐!!と言いたいのだが、そいつは見事な黒い顎髭を蓄え、日頃相手にする妖狐よりもたくましい、軽くニメートルは超す体つきをしていた。双傍はぎらつくような赤色、魔女の用にのばした爪。そいつに対して− 魔性 −という言葉がローラの脳裏によぎる。
 その魔性が剣を抜いてきた。ローラは心の中でしてやったと思う。そして自分の剣もすらりと抜く、ローラは戸惑いもせず正面を狙っていく、魔性はただ首を傾けただけで グサリ と肩に刃がたたき込まれ、ローラの手には肩の骨を砕く感触が伝わってきた。そして、魔性の肩から赤い血がまるで地面から吹き上がるマグマの様にローラの全身に飛び散りそのまま雫となって落ちていき、雪で創られた白色の地を赤に染めていく。
 しかし、重傷を負っているにもかかわらず魔性はもう一つの腕から広刃の剣が振り降ろされる、それをローラは髪一重でかわした、かにみえた。利き腕のわずかながら露出している所からすっぱり腕が切り落とされていた。ローラは自分の腕が雪積もる地面に転がっていくのを、取り乱す事なくすぐさま魔性をにらみつける。相手は無表情ながらにもこちらの行動をうかがっている。ローラは腰につけてある予備の剣を抜く。
(互角の勝負…と言いたいが、自分の利き腕を切り落とされ、相手は…まったくとんでもない強敵と出くわしたようですね。)
魔性は何を思ったのか、突然自分の剣を投げ捨て ザクッ という雪が潰される独特の音と共に白色の地面に剣が突き刺さる。ローラは一瞬注意を払ったが、静かに剣を構えて相手の利き腕の方に短音の気合いと共に、左斜め上部から閃光きらめく小剣を振りかざす。その剣筋が斜線状に一瞬、ほんの一瞬、魔性の身体に走る。魔性は避けていなかった。いやさすがに妖精皇国きっての勇将の渾身の斬撃を避けれはしなかったのだろう。ローラの心の中では勝利を得たかに思った。すでに、魔性の身体は右首筋から胸もとそして左の大腿にかけて皮鎧を裂いて、ばっくり切り開いている。そこからはドクドクと血が流れ落ちている。
 それでも、それでも目の前の悪魔はゆっくりと身体を震い起こして立ち上がってくる。ローラは恐怖を押さえることは出来なかった。魔性は懐から三つの奇妙なる色をした石を取り出しその石に胸から流れ出る血を塗り付け、地に投げつけると上位古代語で唱える。
「我の血をもちいて我が僕どもに命ず。獄豹三伯ログル=ヌグィーズ。オーダー、カオス、そしてカルマ!七つの鼓動と黄金の一つにおいて、我が召喚に応えよ!」
 石が揺らぐ刹那、弾け飛ぶようにして鳥のような前足が3つ、容姿は豹のようなしかし、その身体は猛々しく雄大さを誇っている幻獣。ローラはこんな化物を三体も眼前にして生きている心地はしなかった。
「頼もしき友達よ。あの者に炎の洗礼を!」
三体の狼の口が一斉に開く、もはやローラは死を恐れなかった。気がかりは女王の安否だけだと自分の心に答えかけた。
 だが、それっきりだった。狼の姿が溶けるように消え去っていき、魔性の様子を見るとまったく身体はピクリとも動こうとしなかった。立ったまま絶命しているのである。ローラは目には何が起こったのか解らなかった。
「彼は全てのものを恐れるあまり、自然に怒りの精霊ヒューリーを身体に取り入れていたのですよ。」
ローラははっと気がついて後ろを振り向き様、肩膝をつき臣下の礼を取る。そこには女王フェレアがいた。フェレアはローラになにか言いたげだったが、彼にはべつのことをいう。
「しかし怒りの精霊を取り入れているのに、魔法を唱えられる余裕があるほど、冷静かつ自由に制御できるとは…ほとんど支配に近いものがありますね。それに彼の生い立ちになにか異変があったからこそ、狂戦士になったのでは。」
ローラはふとフェレアに訪ねる。
「クイーン、貴方は他人の心がお解りになるのですか。」
すると、フェレアはふっと瞳を閉じて首を横に振る。
「いいえ、私は他人の気持ちが読める力はもっていません。しかし…」
といってフェレアは静かに目を開いて、地に倒れている魔性の胸に手を触れ出血を止める。そして両手で抱きかかえ意識のない魔性をやさしく見つめる。まるで母親が眠っている自分の子を見守るかのように…フェレアはそのままローラに語る。
「私はこの者の瞳の奥底に少しだけ悲しく光るなにか見たのです。ローラ、この者を"異世界の扉と生命の精霊の大広間"へ運んでいきなさい。」
「一度怒りの精霊に破壊された奴の魂を再び戻す方法といえば、まさか!」
フェレアは何も言わなかった。
「貴方の大量の血と多大なる魔力の蓄積を無駄に…」
フェレアとローラは微笑みながら
「たしかに…でも何故かしら…無駄ではないと私は思えてきたのです。」
といってまったく動こうとしない魔性を抱きかかえふっと身体が消えていった。

 その広い空間にはただ大きな緑色の台があるだけで、その上に魔性を乗せると身体がフッと浮かびフェレアの眼前の高さまでくるとピタッと止まる。回りにはローラ・ドーロ以下数人の主だった連中が息を飲んで見ている。フェレアは暗号のような言語というべきかなんというべきか他の者には解らない言葉を口から発する。
 すると、魔性の身体は除々に縮まっていき、普通の妖狐と同じくらいの身体つきになっていた。そして魔性はゆっくりと身体が降りていく。そして、地に足を付けるとゆっくり眼を開いた。
 突然、フェレアの脳裏に言葉が飛び込んでくる。
《魔王…いやリーゲンという名で呼ぶのだったたな…もう、私の力は必要ないだろう…私の身体も使いものにならなっくなってきた…。しかも、私の魂を完全に受け付ける奴はいない、その力の一部は身体に残るくせに…………。》
そして、台座から立ち上がりし魔性は、フェレアに冷笑を浮かべて視線を合わせる、するとまたフェレアの脳に直接聞こえてくる。
《神の血を引くものは奴と供に数千年前の戦いの時に、すべて根絶やしにしたはずだが……。まだ生き残っている奴がいたとはな……。まあいい、闇に帰る俺にはもはや関係ない……。それにだんだん力が抜けて…い‥く》
そして言葉が途切れた。フェレアも初めはさすがに驚愕を禁じ得なかったが、事の始終が理解できるとホッと胸をなで下ろした。あとは、悪魔としての過去の記憶を失ったこの魔性…いやこの妖狐の意識が戻るだけである。やがて、支配から開放されたことさえ、知る由もないこの妖狐は目の前のフェレアに問う。
「俺はいったい……」
フェレアは答える。
「貴方の名前はラカンパネラ。そう、約八千年前私の一族と大陸の運命をかけて争った魔皇の一族。《滅びなき肉体と破壊の極限》ラカンヴァラ=クライス。しかし、その忌み名(ヴァ)は貴方とって無用となりました。あなたはあの忌々しい者から束縛はありませんが、貴方には帰る場所もありませんね…。もし、よければ貴方に第三精霊都市の住人となってもらいたいのですが。」
すると、シーザーがフェレアに進言する。
「クイーン、この者をこの国に置くのは反対であります。この男の力がまた暴発するか解りませんし、妖狐を宮廷内に入れるとは。」
宮廷魔術士フォーゲルドもやや遅れて意見を述べる。
「シーザー殿の意見に付け加えて、私も一言いわせてもらいたい。こんなろくでもない者を入れることによって、伝統有るジャナセリアの世見評価が落ちることはみえみえでございます。私はこの者を即刻追放、または極刑にすべきかと…。」
フェレアは困った。側に置いてこの者が持つ才能だけを取り戻してあげたいと思う心と、部下の意見に逆らってまで行う事なのだろうかと思う心が葛藤していた。
そのフェレアを見るのが耐えられなくなったローラは突然意見を述べる。
「シーザー殿の申すように彼はたしかに危険な存在なのかもしれません。しかし、私達ジャナセリアには今一人でも多くの優秀な人材が必要。妖狐といえども、その心に光があれば厚く優遇してやるべきです。それに今までの彼はすべて失われている。ということはこれからの彼を我々が厚く見守ってさえいけば、頼もしき同志…いや友となってくれることはまちがいないでしょう。」
ローラの気迫のこもった意見に誰も反論はできなかった。とりあえずフェレア自身がしばらくラカンパネラと呼ばれる妖狐を預かることになった。フェレアはいまだ呆然としているラカンパネラの手を引いて、彼と宮廷内を一緒に回りながらここを案内することにした。     
ローラは下の世界に戻る途中フォーゲルドに呼び止められる。
「貴殿、どうして妖狐なんぞに肩入れをしておいでか?」
ローラは自分でもわからないとフォーゲルドに言った。フォーゲルドは何かいいたげだったがそのまま向こうの通路へ去っていた。ローラはつぶやく
「クイーン…私もあの男の力と恐さを知るがゆえに反対だったのですよ…どうなっても知りませんよ…」

 一通り城内を案内し終えたフェレアは、すでに白色の麻布の服に着替えているラカンパネラに尋ねる。
「これで終りましたが、何か言いたいことはありませんか。」
すると、今までずっと黙っていたラカンパネラの様子が一変して変わる。そして細長な深紅の双膀からは、まるでフェレアの容姿を品評しているかのようにじっと見据えている。その身の危険を感じる冷たい視線はフェレアの胸に突き刺さってくる。ラカンパネラはそのフェレアの表情に満足しながら口を開く。
「いや、まだ一つ…あんたの寝室の場所を教えてもらってはいないな。女王さん、言っている意味がわかりましょうか?」
フェレアは驚きのあまり言葉が出なかった。こんな事を言われたのは初めてだ。フェレアは思い出す。ある一介の警護兵にあなたにもしものことがあってはいけないと、警備を志願されたがそれを断わったことに少し後悔している。わずかながらの期待のためか、ちらっと左右に視線をうながす。が、少し後方で呆然と立ち尽している先ほどの者がいたことを確認すると、キッと眼前のラカンパネラを見る。
「貴方は他人を傷つける事を何とも思っていないのですか。」
ラカンパネラはさも当り前の様に尋ね返す。
「あんた、このジャナセリアを建国するとき、他人を傷つけることがなかったと言えるかい。万事口論だけで決着がついてきたかい?結局は剣や杖を取ってお互いの言い分を体でぶつけ合わなければいけないのさ。俺も己の欲望を妨げる薄っぺらな壁を取り除いただけだ。」
「さすがは妖狐、自分の言いたいことをズバリと言ってくれますね。」
ラカンパネラの口元が微かに歪み頭を垂れて言う。
「オレは宮廷内で処世術を覚えた物達と違い、己の思うように…自由奔放に生きていきたいのだ、産声を揚げたときから今までわけわからん奴に体を乗っ取られていたからな。」
 炎に揺らめく情熱的とも言える色をたたえた深紅の瞳を持っているラカンパネラの瞳、その臆に潜む見えなき蒼色。もう一人の彼の像をフェレアは感じとれた。ラカンパネラはうつむいたままだったが、じっと見つめているフェレアにふと気が付くと再びフェレアに邪な視線を送りながらしゃべり始める。
「少し、口が過ぎたな。さあ、さっきの返事を聞こうではないか。オレはあんたを抱きたくなった。拒めば…」
「拒みはいたしません、ならば私についてきて下さい。」
フェレアはきびすを返し、いままで歩いてきた豪奢な金色の通路から横の目立たないがきれいな絨毯のひかれた通路へと曲がる。ああきっぱりと言われてはラカンパネラにとって本当の楽しみが消えたようで心の中で舌打ちする。そして先ほどとは少し異なった思惑で、フェレアの後ろ姿をじっと見つめていたが、自分もそこに足を運んだ。

 長い廊下の奥にただ一つ大きなドアがあった。フェレアがドアの前に立つと自然に開く。二人は部屋の中に入りフェレアはミスリル制の燭台に火を灯す。ラカンパネラは中を見回して驚いた。衣装戸棚と洗面台、それに大きめの寝台しかなかった。装具品はおろか、鏡や化粧台すらない。フェレアはちょこんと寝台に座り、少しだけきしむ音がした。ラカンパネラは改めて女王の容姿の美しさに目をとどめていたが、気を反らそうと別のどうでもよいことに眉を寄せる。
「これでは、普通の宿屋とほとんど変わらないではないか。」
フェレアはそっけなく答える。
「国民の血の結晶を無駄にはしたくはありませんので…。」 ラカンパネラは同じような言葉をはいて、実行しなかった偽善者を何人みてきたであろうか。だが彼女については嘘ではないなと思ったが、別に共感することもない。俺には関係のないことだ…。
 ラカンパネラはフェレアの所に歩み寄り、もはや眼前となったフェレアと同じ視線の位置に腰を落し、じっとフェレアを見つめる。フェレアも黙ったままこっちを見つめているが警戒の気配はない。おそらく無数の暗き知恵を持つ人間達の様に対処法を頭の中に巡らせてはいないだろう、彼女は神の血を受け継ぐ者。ただの女ではない、汚れなき純粋なる光に包まれているために。
 ラカンパネラはフェレアの肩を抱くと自然にフェレアは目をつむる。ラカンパネラはゆっくりと顔を寄せる。不意にフェレアの髪の香りがただよう。だが、男の欲情を引き立てるような香りではない。逆にそれを感和させるような…。ラカンパネラの唇とフェレアの唇が今触れ合おうとする……。

 しばらく時間が流れる。

フェレアはゆっくりと目を開いた、それを確認したラカンパネラはフェレアの右手を取り甲に軽く口付けをするとスッと立ち上がり、ドアの方へ向かっていた。やがてノブに手を掛けた所でラカンパネラは低くくぐもった声が返ってくる。
「あぶない…。あんたの体内に満つる光の力で俺の闇に属する魂が破壊されないと限られないからな。とりあえず俺は帰る場所もないことだし、しばらくこの国に居ようではないか。」
「帰る場所がないとは…故郷は?両親は…」
「故郷はこの世で地獄と言われる所。父親は知らない。母親は…俺が…いやラカンパネラ・クライスが、この地に降臨する前に、欲望むき出しの下等魔獣共に消された。結局はその魔物共を力でねじ伏せ、盟約を交わさせることに成功したのだが。」
 ラカンパネラは姿を消して、ドアがギィーと開いて静かに閉じる。フェレアには最初、彼を見たときから自分に流れる神族の血と、彼に宿った魔族の力に対する運命の重さを知らされていたが、今は彼自身への哀れみとその瞳の奥に秘める普通の妖狐にない心の暖かさを感じた。彼女にとって彼は今まで見てきた者たちの中にはまったくいない不思議な存在である。そこに興味があったのでは…。
 ラカンパネラは部屋を出てしばらくすると、突然ラカンパネラは身を反らすが、左頬にぱっくりと傷が走る。辺りは誰も居なかったが、ラカンパネラには今の者がフェレアの寝室に向かう時からつけてきていた事とその者の正体が解っていた。
「ふむ、おまえさんは潜ませたさっきの部下のかたき打ちなのか…こうも女王に忠義が厚いのか…違うね、それは男の嫉妬というものだ…。」
答えは返ってこない、すでにこの場所にはいなかった。ラカンパネラはその硬物に対して妙に笑いがこみ上げてきた。このジャナセリアと言う所まんざらでもないか。

    剣の時代のおとずれから100年が経っていた時の事。


ラカン「 陛下の側に お前がいる理由だな」

ローラ「 暗殺…
その様に 局面 を一瞬にして変える連中がいるのは 下界に行った今の主なら 了解出来る筈だ」

ラカン「…ああ そして お前の その余計なお世話すら 実能力者たる陛下の前には無用な事だという事もな」

ローラ「…能力とは キョウキ にも陥りかね莫い…
お前は その代障(リスク)を帯びながら 覇闘の道を征く為 論外な懸念であったな… 」

ラカン「ああ 爆(ちから)を以って 暴(ちから)を征すさ」

一瞬 視線が衝突する が ローラの方から反らす
まま 互いにすれ違おうとする

その刹那

ラカン「 今の俺の質得(レベル)なら 手前ェでも仕停められるよななぁ おい?」

と 口火を切るも 抑揚 相変わらず
ローラ「もはや それは 陛下の意向外となった」

と 通り過ぐるも 互い 振り向かず

ラカン「俺への…闘志…怒り…暴れ出したら 何時でも歓迎してやるぜ」
と 鬼面の笑みを浮べつつ 外方の扉へ歩み行く


一身皺寄りた 妖白蛇(ドラゴンエルフ)の御大尽
フォーゲルド「…誰や」

ラカンアード「ん? アンタ…あの時居た…あーそっか 
俺の事は アーデレンド と妖精名(ひとのな)で呼んでくれ」
と 答えるが さも 興味が無さげに ラカンの奥向こうを 遠目で眺める

不快を表わしつ
ラカンアード「? ああ 呆けてンのか」

その声に反応し 面を合わせど さも 鬱陶しげに
フォーゲルド「 お前の様な 汚なげな野良犬に話かけとりゃせん
ここ貴人専用の階に 上がり込ませているは 誰や とついぞの漏れじゃ」

ラカンアード「なっ!? テンメェ!!」
と 掴み掛からん勢いにて フォーゲルドの眼前に出ようとする手前

ドスッ

と フォーゲルド は手に持つ杖の先で ラカンアードの鳩尾を衝(つ)かば

ラカンアード「ッ! グ…」
と 片膝を床に付け 胸元を手で押さえた

鬱陶しげな表情を変えず
フォーゲルド「聞こえなかったか?衛兵 
状況を説明出来得る者を早よ 連れて来ぬか」

と ドア側で直立していた 衛兵に目配せると
その一人が慌てて部屋を飛び出ていった


フェレア「 私達 天妖精の分霊 妖精(ヒト)は愛おしい
でも 父を殺害(あや)めたのは ヒトが 最終完成 させた 悪魔のニンゲン 
 暴発 の可能性を抱える 儒命妖精長人(ニンゲン) に 妖精の寿命に加わった 混妖 が恐ろしい」


ラカンアード「別に善悪に興味はネェ 俺を挑発している テメェを潰したいだけだ」


シェザロー「 君は この大陸の勢力図を把握していないから
その様に 軽く云えるのだ」

ラカン「結局は 敵の 質 と 兵数 で 戦闘力だろ ?
そんなもん この国に向けられている 熱氣層 の具合で 大体 掴めてるンじゃねーのか」

シェザロー「君の云う意味が 理解出来ない」

ラカン「冗談だろ? 手前ェら の国の戦闘力 はな
押さえてる連中も含め 圧倒的 なのによ」


ローラ「 計略 を 感性 で弾くことの出来得る本能 
戦うが為に生きる 奴 の持ち得る 独特性 だ」

シェザロー「了解した 彼は その様なモノであるのだな…」

ローラ「ああ 惰眠を貪る実力者 とやらには 細心を砕きかねん迄の 激情 で 食って掛かるから
正面にいる時こそ 氣を付けておいた方がいい…」


ラカン「 敵 は 喜ばしい程 に 俺の神経を 逆撫でてくれやがる」



ソルセート「 皇国(ココ)の軍部に 憲兵科が無きことこそ 愚かなる証拠」

ラカンアード「アアン?」

ソルセート「 軍法会議指揮下の 風紀取締めを役とする部隊
 用すらば 軍の内部だけでは無く 安穏と 弛みきった高官 及び 腐った民衆 を粛清出来様に」

ラカンアード「 それは フォーゲルド とか 金貸しのベッツ とかもか…確かにそりゃイイな…」

ソルセ−ト「 しかし 皇国の軍とは 臣民の護衛にあって 管理にあるものではないと アノ女は切って棄てたのだ!」

ラカンアード「 当然だ ココは陛下の国
 だから 陛下が思い描く 理想の幸福を追求してくだけのこと
 只 オメエの意見が ソレ に似合わなかっただけの事さ」

ソルセート「… お前は 現実の必需を見ようとしてはいない」

ラカンアード「 ハッ! 俺は戦争の駒 それ以外は 役どころ ではないんでね
それと 一つ 陛下の前で 敬称が無かった時は 俺が真っ先にお前を仕停めるぜ 」

ソルセート「 ほう お前が礼儀を語るとはな」

ラカンアード「 俺がヤってんだ お前ごときがシカトなら 当然ダロ」


フォーゲルド「フェレア殿は何故 何時も 何時も アノ餓傀を容易く赦すのじゃ!?」

何時の間にや 背後より
シズアフ「陛下が持てる性根からの慈愛に付け入りきる その胆力をお見逃しがちぞ」


さも つまらなそうに
フォーゲルド「 成程…蛮怪力のみに留まらぬ輩と御見抜きか」


シズアフ「奴との これ以上の係わり合い 
ワシはむしろ貴公の身を案じて 止まねいでおる…」


嫌味たらしく
フォーゲルド「カーカッカ!! 畜生なぞ噛まれるまでに
ワシはそれほど(シズアフを横目に)老いさらばえておりゃせんで
……おーこりゃ失礼じゃったかのう…」


過ぎ去りし後
シズアフ「 眠るる能力 の中量すら味わわぬ内に
 さんざ からかわれた後 只 身の恥を 曝されるだけぞ…」



君が忠義の表わし

罪人 氣絶に止め 抵抗に及ぶに際し
 
火炎を発す呪縛にて施し いたずらに 殺めずも

同じくに 窃盗快楽殺害犯 は 見せしめとし 

 苛酷 の限りをもって 極刑に捌きたるは 狂犬の銘に値す

 死 は 唯一 死 のみて償えるを 彼が信念と為す故に



空を駆ける 三人

エイク「定期魔道実検 対獣魔捕獲能力査定当番が 貴殿とは付いていない…」

サーバス「(白狐の仮面)あれぃ? そんな事 言われると 人口呼吸儀式の当番 明後日の方と入れ変わって差し上げますよ〜」

エイク「(素顔)すまぬ このまま 続けてくれ…」

ロレドールス「(黒猫の仮面)…何やら 下が騒がしいな」


それは 地上(した)で 砂煙が巻き上がる最中で
一列の隊商を 路賊らしき数人のモノが囲んでいる様子

中央の隊商が内 怯える恰幅のいい中年 と 反対に
多勢に無勢と云うのに なにやら 不敵な笑みを浮かべている 妖黒豹の剣士が 路賊と対峙している 

ロレドールス「助けないのか?」

エイク「あの剣士は たしか あの ラカン=アード 現在 軍規違反で 兵籍 を剥奪された 追放者 扱いだったな
放置罪人 迄 率先して救助せよとも 皇国規律には無い」

サーバス「それに 面倒臭そう だしね」


と 路賊の懐袋の一人に きらり と 光れる お宝が見ゆ
サーバス「…いや やっぱ ここで 休〜憩〜!!」

エイク「お…おい」


土煙りの去りしあと その血達磨 のラカンは むくり と起き上がる のを 遠見の曲がり角で観戦する 三人
エイク「やはり…か 息 はあの時点であった ならば 地啜り である奴の事
食肉と違い 一点牛歩 なれど自力で這い上がる癒力を備えてあるは当然」

しとめた筈の 獲物が 再び起きあがり
訝しげつつも 後から掛かろうと 突進を試みる が
後方の 地雷 を踏みて どーん と爆発して逝く路賊達

と 三人の隠れる曲がり角を指差しつ
ラカン「よ…ヨウ 遠見で傍観しやがってる貴族臭い連中ども…
大変たる薄情な御振舞い 結構な事であられますなぁ〜!?」

と 三人 路上に現れつ
白肌の麗人の内 真中の外套(フードコート)のモノが答える

エイク「巷で噂の 喧嘩屋ラカン …そのような 挑発(いんねん)には乗れない な」

闘いが終止は打たれようとも 氣迫(オニ)の形相を保ちつつ
ラカン「ほ〜ほ〜 美女薄情 とはよく云ったもんだ」

エイク「…云っておくが 俺は 男だ」

ラカン「ほ〜 オカマ か」

その瞬間 全身創痍 の 黒豹人 が 二つが手の 衝撃波動 に因り 後方 四 五 米程 吹き飛ぶ

サーバス∩ロレドールス「 貴人に対する 口の聞き方には 氣をつけるんだな」

エイク「…むしろ 瞬度に到っては お前達の腕に達していない自分に歯痒いだけだ」

サーバス(♂)「いえいえ 沸点に達した際の 見境い無き 我が愛しのエイク様 ときたら 手加減 を御与えになりませんから 先手は 私達が捕らえないことには」半身を起きあがらせつ
ラカン「 へっ それは 外見は大層に成長していても 内面が至極キレ安い 御坊っちゃん って云う コト じゃねーか」


エイク 無言ではあった が その美頬が吊りあがる

渇いた 視線で
サーバス「アンタ よっぽど 殺されたい よーだね」

地面に飛び散った 血の飛沫 その一つ ひとつ が 赤 そして 青白い炎と化して ラカンの周囲に 巻陣を張り重ねていく

エイク「 これは 死閻蒼竜巻の群 … 目的は 肉霊の燃焼ではなく 霊魂そのものの 死削 …」

サーバス「…お おい 俺達の事を本氣で消すつもりか これは お遊びで 冗談なんだよ」

ラカン「これだから 温室育ちの 競闘ごっこ しか経験の無ェ 貴族さん達は困るぜ」

ロレードルス「 身分は ともかく 霊質 そのものが 吾われに劣ろうとゆうものに」

エイク「…まったくだ 誰であれ ヒトは見くびるモノでな無いな 見境いの分別ありきたる ミジルド王子殿下」

サーバス「…どーすんだよ オイ! 貴様 これ以上の狼藉を働くと この皇国には無事に居れなくなるの 解かっておろうや!?」

ラカン「その 口撃 そのものが 俺の性根にそぐわない 
じゃ いくぞ テメェら…」

サーバス『…! 瞬間移動』

ロレドールス『瞬間移動…』

エイク『瞬間移動』


ラカン「けっ! 所詮は 底迄の奴等さ…」

そして これも亦 第一貴族に対し 
畏れもせず平氣で泥を投げ掛けつける
下賎の輩 狂犬ラカン が宮廷俗話の一つであれり


フォーゲルド「 エイク とやら 余程 下野育ち をひけらかしたいのか
古式 直長髪なぞ 面立ちが覆われ 御上に対して失礼に当たろうもの
男子 とは云え 髪を結う程度の配慮があってもよかろう」

サーバス「うん 更に結い上げ 巾にて包み 短突剣で綻びを留めれば完璧だね」

フォーゲルド「 其れは 刺客(アサシン)の考えぢゃ…」


ラカン=アード「本当に アンタの飼い犬どもは 喧(かまびす)しいな」

フェレア「そう思えるのですか… しかし 他人に 去れ と云われようと
あなたは あなたの意志で行動を熾す方ですから」

ラカン=アード「当然だ…が…」

と 視線をやや細め 次句を継ぐ

ラカン=アード「 俺の属性は 炎 攻撃 以外の領分は無い
それを知った上で 滞留して欲しいと言ったのであろうな?」

フェレアの言葉は無い が やや 目元に憂いが帯びる

ラカン=アード「そうだろ 大小なりとも 治世を進めるに 衝突 は当然…」

ラカン=アード「其の時 其の撃破の為だけに
俺は 何時でも 凶器の牙を噛み鳴らし温めて置く 
が 征めるべき標的を指し 振り下ろすのは 当主としてのアンタの領分 だ」

ファレア「…そのような決断に到らない 和解を築き続けていきたいとおもいます」

ラカン=アード「肯定も 否定もしない 

そして 俺の領分を侵しさえしなければ」

と 片膝を折るも

ラカン=アード「以後 貴方を陛下(クイーン)と 呼び続けるのも 厭わないさ」

視線は フェレアを直視したままに


白卯の貴僊は 微笑む
フェレア「はい 全ては 生きとし活けるモノタチの安息の為に」

妖しき黒豹が続く
ラカン=アード「 ああ 戦う理由とやらには 拘(こだわ)っては無い…それで構…いませんよ 陛下」

そして それが 皇国の軍狗と果てた 瞬時 でもあった


ロレドールス「 そうであるか」

ロレドールス「 フッ 面白い事を云う」

ロレドールス「 不愉快である」

ロレドールス「 不愉快も過ぎて 言葉も出ぬ」

ロレドールス「 最早 居なねば 主を刻み 散らしとうなる」


サーバス「 ロレちゃんは 例えて 宮廷の花瓶 おしゃべりじゃないけど 控えて聞き上手
 そして 細美の魔法剣士とくれば たとえ 純血の狐人(エルフ)じゃなくても 貴族(みつがれや)としての資格は十分さ」

ロレドールス「 社交内での好意として 有り難く承ろう」



ロレードルスは ラカンの剪り懸かからん手首を掴むや否

彼の勢いを利用しながら 己の体を斜めに傾け ラカンの臑に 己の足裏を 蹴り宛がえば

ラカンの体制が崩れる

と 同時に 関節を決める様に手首を掴み直しながら腕を 大きく回しつ ラカンの足甲 踝を すぱっ と払えば

ラカンは 前のめりに 投げ跳ぶ

ロレドールス「 どうやら 力まかせの戦いしか 経験がないようだな」

と 彼の眼前に 剣の切っ先を向けた



検問前にて
朝焼けを背に 私兵中隊 百二十人程 引き連れ フォーゲルド登場

フォーゲルド「女仕官の官舎区なぞで よもや 貴様と合おうとはな」

失笑しつつ
ラカン=アード「 あー 白々しい まったく 手前ェは 影跡踏(シャドウストウカア)の鏡だね?…確かに 全身(すべて)が亀虫臭いか…」

フォーゲルド「 ぐはっ… お 貴様(おんどりゃ)あ! 覚悟せぃよぅ!!」

(C†ef⇒ 跡踏(ストーカー)には 多種多様あるが この場合は 水溜りを移動してくる輩(やから)を差し ラカン=アードは 水神である玄武の心象(イメエジ)と 亀寿ゲルド老 そして 小物(むし) そして やること自体が小物臭い事 を重ねては 一句で 強烈な邪揄の四重奏を飛ばした模様)


一瞬 精氣薄弱で卒倒(たおれ)そうになるも
ラカン=アード( クッ 流石に 今回は 過激(ハード)だよな )
が ここは 二の足で 留まり 
山間から太陽の光が差し込めば クォォォォン と 遠く咆哮する

フォーゲルド「はっ?」

そして 天を指差しつつ
『 それは 過激 …』
と ラカン=アードの人差し指が挙動

そして 吸 と 未だ冷氣たる周囲を 綿菓子(ひとふさ) 味わっては

ラカン=アード「 本当は コレ が怖いンダロ?」

と 口を吊り上げて ニタ〜リ と嗤いつ
『 それは 冷徹 …』
と ラカン=アードの人差し指が挙動


最早 先ほどの威勢 は止まれる
フォーゲルト「…ウゲッ!!」
と 遥か昔の記憶が 蘇える 
それは 禁断たる
閻獣(ケダモノ)の指使い(エピタフ)
焦躪(みなごろし)の起動(トランスモード)の残像(ルフラン)が…

ラカン=アードは 嘗ての 魔皇の剣 を降臨させる禁を 
只 一つの小競合(こぜりあい)で
只 一つの嘲挙笑(あさげまえ)で 
さも手軽く 解封する かの様に 
右腕を天に すぅ と揚(かか)げつ 軍隊を掴みかからんばかりに
五つの指を雄大に広げ その手首を フォーゲルド に向かい返す

もはや 引きつつある戦意
フォーゲルド「おい…まさか そりゃ…」

ラカン=アード「 それとも 今まで 使わなかったから 高括くってたのかヨゥ?」

と 次ぎて 詠唱に移らば
『 しばし 嘗(かつ)てば殲覇(おうざ)が猊眸(にらみ) を 刮目(みひら)ける
この戟爪(つるぎ)を引き降ろす 刹那(せつな)が舞合間(まいま)に…』
と その爪が どす黒く 延々と伸びたれば

身の立場の崩壊を始める
フォーゲルド「 ちょ ちょ ちょ チョット…」
と 後ずさるも 腰が砕け尻をつく

この 隙を突きて 疾走五歩を跳びつつ 嘲(わら)う
ラカン=アード「  冗談 さ 」
と フォーゲルド が前まで 迫れば

ラカン=アード「その無様から なら この 二百年で得た技能(スキル)の成果で 十分」
と 馬乗体制(マウントポジション)を 取りては その爪を しゅん と収めつ
顔面 に 

ぼっこん

ぼっこん

と 渾身を込め 鉄拳を入れ始める

が その前に
フォーゲルド は 口泡を吹いて氣薄で卒倒していた 


二間の空氣 が 引いていく

指揮官「 こ … 侯爵を お救いしろー」

と ラカンアード も 取り押さえられては
同じような 押殴(たこなぐり) に遭い 
重く傷ぶられれば やがて 卒倒 した


フォーゲルド「 シズアフ殿に伝えて置いておくように 法務大臣の務めとは言え 
野良犬(ラカン)の粗相の後始末 ご苦労であると」

フォーゲルド「フェレアの特赦により 軍籍の剥奪ならず
…予備役として軍給は継続だと!?
…まぁ ワシの所領(かね)で払う訳ではない が…」


−    ニ     −

 原因が未だハッキリとされていない古代王国の滅亡。ただ、黄金3頭飛竜を駆るリーゲンと名乗る元貴族の戦士が、上級貴族を相手に反旗を翻したという伝説が、100年経った今でも残されている。だが、おとずれた時代が彼を圧迫した。彼も魔法という、権力者達の嫉妬の対象になるべき、力を持ち合わせていたために彼は自分の意志で姿を消した。他の魔法使い達は存在すらも認めはしなかった。だが、今は彼らを完全に叩き潰すほどは国々の大きくなかった時代。大陸にある小国の数およそ八百…。

 人間達の愚行に怒れるかのようにジンが砂を伴って巻起こす風。ここは遥か広がる「決死の砂漠」と言われる弱き者の墓場。一人の薄汚れた茶色のローブを纏った男。風は彼を強く吹き付ける。彼の眼は常に前を向いている。目指すは大陸一の剣師の居する未開の地。歴史は彼を必要としている。

 ゴンッ!

「な、なんっすか?」
「ウォーレン。起きろ!何をボケッとしているのだ。早くいくぞ」
 今は、夜更け。場所は、ただでさえ恵光なき薄暗窟、ここは、数カ月前まで妖魔の輩していたネジロと公で言われる所。今は、この荒れた時代の産みし職業、無法者がここに居を構えている。規模は、10、20人程度。偵察隊の一人から合図が送られ、次々と同僚が意気躍ってネジロを出ていく中、壮練の男が頭数の足りなさに気付き部屋を見渡すと、今だ堕眠をむさぼっている子分に説教を垂れている。
 数日前に入ってきたこの新米は、義兄の罵声と拳を喰らっても、なお平然と腕を組み古ぼけた近くの石椅子に腰掛けて頭をかきながら悪態をつく。
「あにさん…。御日さんが顔をちらつかせるにゃ。もう3の時を積まなければならんのですよ。人間睡眠を欠くとハダに悪いというじゃありませんか。」
あきれた…。
「あ、あのなあ…いい…もういいから、サッサと来い。」
盗賊、隊商をおそっている時に、ふたつの馬車がそこにさしかかり、隊商に水売ってともちかける。


ディアロは 炎刃剣で剪(き)り懸(か)かるも
ストラウ は ふわり 身を浮かせつ
 ぶるん と後退(あとしざ)りに躱す

ディアロ「ほー 手前ェ 当たる直前で 凄ぇ 避けかたする奴だな」

ストラウ「ん?…ああ これは 柔軟浮身 と云って 
君の剣圧に 乗らせてもらっただけのことなのさ」

ディアロ「ヘン! するってーと 次は羽毛を斬るように 鋭い氣を割り入れる感じでイカせてもらうぜ」

ストラウ「ああ 結構な事だ」


妖狐王国 ジャナセリア外使ゼブラ少佐「そうだな、君はむしろ"礼"なる、兵法をみにつけた方がよろしい、使えれば人心を謀る助けになるだろう」
ラカン「ふーん、そんなもんかね」


「クゥ…辛気臭くて、鬱になりそうだなぁ…何か、焼き尽くしたくなってきたぜ、オイ!?」



クワトウ「 今日に限って 軍船が十二隻…かよ」


覆面頭巾の御人(おじん)「 いいくゎ この後 二番目に渡河する舟を 殲滅するのじゃ
さすれば 貴様らのこれまでの悪行 特赦をもって 解放するだぎゃ」

コウ=シギ「本当だろうな」

覆面頭巾の御人(おじん)「おおう! 二世紀の流刑を以ってしても この高貴なるワシに盾突きし大罪と 貴様等の罪量なぞ 比べるも無い」


コウ=シンギョク「ああ!俺達の船がぁ!!」

コウ=シンギョク「ア 兄者…」

ラカン=アード「ほ〜れ あいつは そういう奴だ
どうせ テメエらを放った事も お得意の 呆け で躱す腹積もりだろうからよぅ」

ラカン=アード「赦さねぇだろ? だったら 俺に手を貸すんだな…」


ラカン=アード「メサイト…」

メサイト「…御前に」

ラカン=アード「 アレ は 使えるか…」

メサイト「造作無く…」


メサイト 去りし直後
ラカン=アード「 予定が遅れちまったな…
まぁいい…例のヤツの方 ちと 早めに片付けるとスっか…」


覆面頭巾の御人(おじん)「なんじゃ この時期に 濃霧とはのうぅ」


水兵「 第八号船 何者かに拿捕されました〜!!」


覆面頭巾の御人(おじん)「な な〜んて コト じゃゃぁい!!」

数日後

ラカン=アード「 食糧 と 積荷 は置いていけ!!
さすれば 命だけは助けてやろう…」

商船員一同「ひ〜!!」

コウ=シンギョク「 アンタ 本当に シロウトかい?」


ラカン=アード「…ほ〜う これは」


ラカン=アード「ザライハ…」

ザライハ「…御前に」

ラカン=アード「 アレ は 使えるか…」

ザライハ「造作無く…」


水兵「 例の第八号船 発見しました!!」

水兵「 か 櫂が 謎の水草に絡まれて 動きません」


覆面頭巾の御人(おじん)「うぷ…な なんじゃ これは」


ラカン=アード「そうだ 砲筒の中に 例の蝋弾を射れ込んでやれぃ!!」


ラカン=アード「 お〜 ジジイ 歓迎 大義である!!」

蝋で固まって 寸とも動けず
覆面頭巾の御人(おじん)「…………」



ラカン=アード「…どーせ このままじゃ ジジイの因縁(インネン)と圧力が掛かって 死刑確定 
 だったら テメェらの命 俺に預けてみねーか?」
と 右手を挙げる

コウ=シンギョク「 狂犬ラカン のこれまた イヌかい?
ハハ 縛り首で 逝ってた方が まだ 楽だと思えるぜ」

左一指し指で 鼻頭を擦りつ 右掌を掲げ
ラカン=アード「 マァ 違ぇねぇかもな…」

と コウ はその掌を ぱあん と 威勢よきに叩きて応ずる


ラカン=アード「 ローラ=ドーロ?へっ 機転が 二つ速くても 行動が 二つ 鈍いんじゃ 結局 零(ゼロ) 
だから 今でもこの国は 和ボケの温(ぬる)いまんまなのさ…」

ローラ「自覚はしている」


ローラ「南邦侍伍士 扉破りのディアロ それが 下階陸(した)での 呼ばれ方だったな…」

ラカン=アード「 まぁ そんなところさ」


バウ「 確かに俺は 豪氣を好む 同時に 上官に対する 礼も知らねえ 野良犬 もお断りである」

フレス「 この国で 実力 で挙がりたれるは 凉将軍 ローラ公爵の許(もと)が一番だ…彼がよしとしても 幕下に亀裂が生じる可能性を 思慮しての事だ…」

フォーゲルド「 手土産が タトラート軍法大学博士号の取得 とは算段外だ
だが 気紛れで 功労 が 罰点 を上回ろうとも 心配は無い 奴には 高幹部に支持者がおらぬからのぅ」

フォーゲルド( フェレア も 独裁を嫌ろうてか 単独では推挙はせぬ…)

エイク「 俺ではもう 扱うの も 泳がす のも 手に余る
だから 会議で 渋るドレイラに引き取ってもらったう事に決まったのだろ? まぁ 向うでも 既に問題を起こしているらしいがな」

エイク「…奴は 頭 口 の上に 今度は 腕力 制霊力 を上げて来た もう 止めるのは難しいさ…」


ラーディス「 陸戦部 に 奴 が帰って来たとは聞いてはいた まっ 今や 俺も司令官候補 にあがって 酒も高官専用に出入りするようになってから 挨拶は控えていてけど よ」

ラーディス「…面白れぇな オイ? 俺らが 式典専用の お飾り部隊だって ほざいてやがんのかよ…」


バキッ!!
ラーディス「 覚えとけ 空挺 にもな…喧嘩上等の まだ 俺がいるってコトをな」

ラカン=アード「 ヘッ テメエ こそ ボォゥケ まくって きやがったな
せっかく バウお父ちゃんに 説教食らわない用 
氣ィ聞かせて 顔面に入(い)ってた奴 止めてやってたのによ」

ラーディス「なっ!?…テメェ…マジ 殺ロス…」


翌日 統合本部にラーディス呼ばれる 胸に包帯を巻いている模様
シェザリアス「…乱闘の件 噂段階では聞いている その上で ラカン=アード を 皇国伯ラーディスとして 第ニ貴族(ナイトクラス) に 奏上したのか」

ラーディス「ああ…俺がかつて 花(マナー)ばかり で 実(スキル)の足らない 騎士の連中を 締め上げる前に 颯爽と第一貴族(ノーブルクラス)に移転させられやがった時代(こと) 思い出しちまってな」

ラーディス「 奴なら この国の騎士を 壊滅 させる か 萎え上がったその牙を 再び削ぎ込んでくれるだろよ」


ローラ「あえて この時機(タイミング)とはな…」

シェザリアス「 もっと 騒々しく なるぞ…」

その 翌日 ラカンアード は 第ニ貴族(ナイトクラス)に就任
そして その翌日こそ 第ニ貴族定期壮行演武大会
突如余興(エキシビジョン)にて組まれた 当時 第ニ貴族長 と ラカンアード の騎乗槍試合にて 第ニ貴族長の重傷により長期現役離脱
第ニ貴族 全員一致の推薦で その翌日 ラカン=アードが第ニ貴族長に就任

当時 試合をみた騎士の一人はこういう
「平和な日々で 忘れていたものが蘇えった 我々は 上官 の顔色を伺う太鼓持ちである前に
ひとつの国を 魔砲 と 身体 を張りて衛護(まも)る戦士であった事
そして あのような 狼藉者 を 頑として 追い払う実力を 培わなければなければならないことを…」


後のラカン軍団が中枢に措かれる精鋭部隊も含め その残った第二貴族のモノ達は ラカンが再び下界に降りた後の時代 四つ巴大戦 でも 特に鬼迫の活躍 をみせたと云われている

「訓練の方が 酷 だった」
からだとか…

閻魔(イブリス)ラカンによる 蛮強騎士の時代 これにありき である


ラカンアード「ここにあるのが 俺の百何年分貯まり続けた俺の給金って奴らしい」

ラバストーン「…成る程 いわゆる食料の殆どは 山 で採られていましたな」

ラカンアード「ああ で そろそろ 大きな戦の音連れを感じる
 だから 強く タフで もの解りのいい 六 七千程度の手駒(いぬ)を 揃えておけ」

ラバストーン「…しかし 今 言われた条件の兵(つわもの)を集結させるには 若干 額 が乏しいかと」

ラカンアード「もともと 怒氣 を喰らう俺に財産は無用 これらを 肥やし 利用し 着服するも お前の自由だ」

ラバストーン「 そうですか… 確かに 私財の肥やしがいの余地ある御命令ではあります」

ラバストーン「 では おまけのサービスとして 隙あらば 何時でも 貴方を背後から撃てる 階(レベル)にまで 頼もしい連中に仕上げて置きます」

ラカンアード「 そうか それは 楽しみ だ」


ラカンアード「… ところで 牛どもの様子はどうだ?」

ラバストーン「 はい 品種は より 祖先種の 熱い血 を帯びるよう 改良が進行しております」

ラカンアード「 そうか 共食い は放置している位で兆度いい」

ラバストーン「解かりました」


去り際に ふと足を止め
ラカンアード「… あっ それと ラカン牧場 ってのはやめておけ」

ラバストーン「…はて…お氣にでも 障わりましたでしょうか?」

ラカンアード「 い〜や そこは 炉端焼のラバス直営牧場 だろ」

ラバストーン「…成程 もし それで 攻撃をしよう輩がいるとしたら 大した度胸の持ち主でありましょうな…」

ラカンアード「 だろ 銘柄 死の裏商人 御謹製 ときたモンだ」



フォーゲルド「先ず フェレア殿に 第一決裁権 があり 次に 皇国法に準(なぞら)えるのであって
まぁ 妖精皇国(このくに) では ソルセートに死刑は無いものと捉えてもよかろう」

フォーゲルド「 当然 国民世論の如何もあるが さてはて…」


鎖に繋がれてるソルセートに一言
「粛清という面はクイーン本人という意見を除けば、俺も賛成だ。ローラは一将軍の価値で限界(笑)No.2はシーザーが適職、シェザリアス、ラーディス、フレス、バウ、以外の現職の要人はクズか腰巾着だ・・・おっと、シラルスには規律を正す軍人としては、半分合格だ。本能に素直すぎる」

能力があっても、消極者は居ないのと同じ、アホは論外。


すぐ上の命令にさからうラカンに周囲は王宮でブーイング
「クイーン、少し時間を戴き失礼します。おい、お前等!お前等の頭の回転が鈍いだけだろうが!少しは俺の回転について来い、この無能貴族ども。俺は悪名上等!死にたい奴から前に出ろ!!・・・いない・・以上ですクイーン、ちょっとお手洗いに行ってきます・・・」


敗北責任について、追求されたとき
「たわけども!まずは我を知れ!我がラカンパネラの戦歴はけして輝かしいものではないことを。しかるに必ず生きて汚名を晴らす国家の勝利者であり続けたことも。私を信頼していだだけるクイーンがいるかぎり私は戦いつづける。クイーン御身が私に罪罰の裁きを与えたもうまで、何人の糾弾も耳にも通らぬ!」



「俺をあんまり、怒らすな・・・楽しくて魔性が暴れ出すじゃねーか!!!」
ラカンの右腕が「黒い炎の剣」に撃化する。サモンイントは始めて誰に対して矛を向けたか、気付いた時にはすでに自身は焼き裁かれた後だった。


魔界神官 メサイト 登場
「ザコは論外、魔界"野党"勢力の生殺与奪は殿下の意に従うまで、ただ"与党一同"としてはお早いお戻りをお待ちしてます」


ある時、ヴァレリアにソルセートについて尋ねられたとき
「奴は、皇国の非は"君"にあると言う。俺は"君"を補えない"臣達"にあると思う。その違いの差だ・・・やがて、"君臣"を裁くのは"民"である。そして"民"の育たない国は必ず滅びる」
「将軍、この国の末をどうお考えですか?」
「ヴァレリア、妖精という種族は、元来、滅び難し栄え難し漂泊の民。それをクイーンのお力でここまで栄えさせた事自体が偉業なのだ・・・ここまでだ、あとは自分の頭で考え、行動に移せ、お前自身が国を支えていると信じよ!」


女河賊 王国女騎士 さらに底下では 女王陛下 と

以外や ラカンに下世話な 男女話が囁かれる件

サーバス「 それは 大輪の花を咲かせる際には よく 血氣盛んな火竜の肥やしが使われるみたいに さ」

その例え囃子に 周囲の貴人は談笑した



ヤンダルミオ神官公国

全国王マジルスト
現国王セルジオンド

海帝星霊スオロウル親従
石霊王トヤンダル兄契

子制
風霊伯エリエンド
火霊伯ヴアナンド
土霊伯ムロウンド
水霊伯キヌリンド


セルシオ「儒命雑種(ニンゲン)の才能こそ 星霊(カミ)に最も加護されたもう妖精(ヒト)の証
妖狐(エルフ)の当主がのさばるジャナセリアに これ以上 我が四大星霊国家 神官公国がへつらう所以は どこにもありませぬ」


アローラ「 『転生』か…俺は 古代魔導学の出自だ 未だ超能力や神への祈りによる奇跡を信じれないでいる
それら全ては 精霊の働きによるものでは無いかと思うのだが」

メレセア「違いはしない ただ 陛下の御力は 圧倒的過ぎて 我々常人には全容を量れないだけだ」


ラカン=アード「 命令 では無い これは 恐喝 だ」

ヴェルフィードは 薄笑いて 片膝を折る



ラカン=アード「俺の軍団への志願者と云うのは 手前ェか
ハッ 澄ました顔して イカレてやがるな」

ヴァレリア「はい 自覚はあります」

ラカン=アード「乙無き汎能霊力を感じる 故に 放し飼いとする 
貴様の位置(ポスト)は自身の手で掴め」

ヴァレリア「了解 致しました」


ラカン=アード「 喧嘩を売って来やがった連中は 是非とも歓迎してやりたいのは山々だが
将軍職を拝命した今となっては その様な趣向に割く時間もままならん」

ブラックファングス「 俺に 始末屋 をしろとでも云うのか」

ラカン=アード「 ああ 雑魚は お前に食わせよう
俺に 中 大物 を手逃がし回さば 陛下に特赦を陳情しようではないか」

ブラックファングス「 チッ 狂ってやがる…」


ラカン=アード「 おお神よ! 今日から お前は 俺の子分だ」

ディガティス「ん!」

ラカン=アード「だから 以後 俺の願いは 俺が 直接 言葉にした願いのみ叶えよ」


ディガティス「ん!」


パジャ「俺が 炎激蛇竜剣 ランゲリング=ロッド=パジャだ」

ニスマ「私は 氷浄泊鳥槍 ブロイピクス=ニスマです」

ジェント「ジェントっす よろしく です」

オニジマ「 オニジマ だ」


ラカン=アード「ヴェルフ 感情を挿まない 貴様の 冷血 を 利用し
我が軍の 左参に置くとする」

ヴェルフィード「…了解」

ラバストーン「戦況が追い風 横競り である限りは 彼は命令に忠実ですから」


ヴァレリア「嫌みなどでは無く 私は 撃閃に交わる猛者との前に奮える凶器 
なれど 身にまとわる清楚感や可憐味とやらが 私を軍部のお飾りの置物に仕立てようしている実際 まこと鬱淘しい限りです」

ラカン=アード「ヴァレリア 戦時は我が軍の 右次に置くとし 常時は 貴様を尤もなる激戦 敵中の諜報工作に送るとする」


サーバス「戦争なんて最悪の切り札 もの好きな ムサイ野郎連中同士が 勝手にやってればイイのサ」


マジェスタ「この大陸(しま)の知行主たる 女帝陛下への反意暴言
我が息子ながら貴様は 狂うておる…」

セルシオ「国民よ聞け
ジャナセリアの主 背信者フェレアは四大星霊(カミガミ)を奉る神殿の建立を 自らの都に拒み続け…」


シェザリアス「 当然だ 陛下は 四大星霊(やつら)より遥かに強い力を持っているから な」


セルシオ「ついに 自らを 万物草創の源たる 精霊の覇王 と名乗る増長への準備を進めていると聞く」


メセレア「…陛下は 太古の精霊巫皇家の直系 順然でありますが…」


セルシオ「 妖精が長目たる ニンゲンの代行として この暴挙を食い止めん! 」



ローラ「…確かに 貴殿が霊血を手繰りて 四大星の加護を授かりし 仙妖精が いたな…」


つまり セルシオ マジェスタにも 妖精の血が多少あり ニンゲンより 二十歳位を過ぎてからの老いが若干遅く 寿命が平均で160歳
長身で 中肉


シェザリアス「 闘争本能の元 恐怖による統治を敷く妖精種族は 結局 法と評議を執行する種族によりて 妖怪(モンスター)として相対するは定石…」

ラシェリア「女王陛下の再生への希望の意志により その御手の元 創世られし再生種族も 妖怪化(モンスター)への道を辿るのも…」

アローラ「…万能…しかし 全能 ではないのだ カミの後継者の彼女とて」


シズアフ「…いや 愛には憎 好には嫌 信には疑 応には恐 希望には絶望 光には影 が調律している定刻(さだめ)こそ 隔たりなき真実じゃよ」


ラカンアード「 私闘 は無論 団戦 の最に焚き込める 敵(おれ)に向けられた 闘氣の渦と渦 嬉しすぎて 奮え が来ちまうのさ…」


ラカンアード「品性 礼節 格式 どーでもいい
 無能 じゃなければな 」


ラカン「 全部隊に告ぐ 魔術士という連中は 殺しても 殺しても 息絶えぬ連中だ
死体は 焼け 燼滅(やきつく)して仕舞えぃ!」



ラカン「すまねーな、俺のバカに付き合わせてよ」
兵士AAA(トリプルアー)とその他一同「否、我々も未来の強敵の成長に期待する魔界の武刀衆(フーリガン)とお忘れか」



ディガティス「おめー、ここで何しテルだぁ?」
ラカン「特務曹長、メシをくれた人とはどう思う?」
ディガティス「いいひと」
ラカン「俺はメシを喰わないから、命をくれた人がいいひとだ」
ディガティス「ん!」


フェレア「公国との これ以上の争いを もう 止めて来ていだだきたいのです…」

頭は下げずして 直視のまま
ラカン=アード「勅命 確かに 頂戴 致しました」
と 獰猛(どうもう)な嗤(え)みを含ませつ 一礼を施す


スキュラに刺されて、意識がもどった時
「・・・だぁー!・・・。負けたのか・・・。おい!動ける軍団を呼んでおけ、まずは己の無能を詫びる!そして、怒りを忘れぬのなら、供に戦えと!再編は既にシーザーが済ませてあるだろう・・・すくなくとも、武刀衆(フーリガン)は魔獣をサエアの箱に"詰め"て"飛んで"退いているだろうな・・・殿のゼブラは、逃げながら司令官を"狙い撃"てる根性がある、俺が殺してみたいくらいの漢だからな。クイーンには・・・」
秘書官B「クイーン自身の裁き下さるまで・・・」
ラカン「(ニヤリと)生きて汚名を晴らすまで、さ」


レクサス「貴様程の武辺者なら 一騎駆け も容易かろう ならば何故 雑兵とも云える 弱き駒が群れを動かして迄 遠巻きに勝利を遅り延ばす様な無駄を施す?」

ラカン=アード「ハッ!単騎で奪還したとて 畏怖の対象は 俺に注がれるだけ 国軍を率い 皇国としての威権を示して置かねばな…」

レクサス「成程 武威影響力(たけきとうとび)の移乗氣(イノリ)を 君の功(はたらき)として捧ぐ由縁…か」


ラカン=アード「元来 浮陽大陸は女皇陛下が拵えし箱庭故 貴様等は単なる反逆の小畜供に過ぎぬわ!!」

フォーゲルド「 要撃(ピンポイント)にしか力を加えず か
フフ 蓄えて何もせぬ ワシらの次に賢いようぢゃの 凉将軍どのは」


ブラックファングス( まっ アンタの場合は やることも 小さすぎて
利が中々回らないンだけどな )



ドレイラ「 財力 は 戦力 ? 半分正解」

ドレイラ「 答えは
それでも ローラ と ラカン は
アンタ達には 雇えない って事」



ラカンアード「貴様には 死より重き罰を科せてやろう」

ラバストーン「…と 元来の肉体を解体され この凶相の極みたる彼に似せた面形に再構築されれば 其れに霊魂を移し替えられ 今の私がこうして存在する経緯に至ります」

ラバストーン「今は 狂える黒豹の背後にこの身を置き 完全に彼の 生き を停める術策を修める迄
 それがたとえ ヒトの精氣を貪りて命を長らえる 傀魔 を窶(やつ)そうとも遂げ果たす意味こそ 我が生死が価値と為り獲ましょう…」


ラカンアード(クク そろそろ 恩赦を遣わす頃合か? ライト よ…)


ラカン「ローラ=ドーロ、"理由(わけ)"ありで、お前がずっと本気を出さないなら、この先は更に救いがなくなってくるぞ、ここはお前(ローラ)の育った大陸(しま)。お前の手で、この国が滅ぼされるなら、クイーンは!・・・くそっ!!」
と、これ以上の闘鬼を外に放出すると、元クライスの部下が「嗅ぎ気付く」この大陸の闘気が妖狐としての封印の限界を超えたとき、妖精皇国は自分のせいで戦場になるのは必須。魔獣ニケとの戦いを最後に、ラカンは下界という魔界に戻っていく。受け継がれた闘いの血統そして、妖精皇国人の血を併せ持つ-ガズデレドラ-に、この大陸(しま)の運命を託して….



非公式ラカンアード私兵団は 一時期 六千四百人 いたと言う噂があるが
彼の神官公国戦で 彼の近衛部隊として 公式登録されたのは 八百人の魔法兵団「煌旗」と 同じ数だけの魔獣の群れ「閻鎖」合計千六百体
彼の命令だけを 忠実にこなす屈強の中枢部隊だったと記録に残っている
残りは 配下、部下の手駒や 国から配属された兵士で 当時の対紳官公国用ラカン軍団は構成されていた

ラカンアード軍の内

配下の帝国騎士(レベル5)200人
配下の帝国兵士(レベル3)800人

臨戦で新しく配属された騎士 600人
臨戦で新しく配属された兵士 3000人

合計 4200人の軍属

ラカンが直接雇っている傭兵(レベル3)1200人
ラカンが臨戦の際、召喚した魔炎狗(レベル8)190体

ラバスが 経営している傭兵部隊(レベル3)2400人
ラバスが 牧場で飼育している 魔炎狗(戦車)1010体

合計 3600人の私兵と1200体の魔炎狗(戦車)
※炎のブレスは、ラカンの許可の下、一斉に放射する

シーザー(その息子ゼブラ)家の、精鋭私兵
レベル8 600人※密偵、伝令
レベル6 1800人

合計 2400人

ヴェルフィードの部下
レベル5 200人
レベル3 400人

合計 600人

ヴァレリアの部下
レベル5 200人
レベル3 400人

合計 600人

ブラックファングスの部下(手下)
レベル5 300人

ディガティスとゆかいな仲間たち
100人+??

総合計 11800人



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