第十一楽章「妲輝伸 抹殺計画」

(クライス シンキョオーの杖を焼いて西大陸に登場)

上空からビックバード出現
ジルドナ ジャックに謁見

「モー 全然 通話の護符があきまへんで 捜すのに苦労しましたわ
ジャックの旦那 あんさん いい人材捜してまんのやろ
合わしたい人がおりますんで そん人は
幻霧の名物 異国料理屋 スゥシィ&テンプーラ亭 でまっておりますさかい」
最後にジルドナはニターと笑う
「ジャックはん大陸でも三本指に入るほどの人材でっせ」
といってジルドナはビックバードの背に乗り
ジャックに乗るように薦める
幻霧の都 それは 食い倒れの街
ジャックはその料亭の入口に立つと驚く
入口の前にあのウイリアムがタキシードをしてかしこまって立っている
「お待ちしてました 中へお入り下さい」
中にはあのクライスがいるのである
それよりも 驚かされるのはカウンターに座っている小柄な男である
ジャック いや ミラン=セルとして その人物に見覚えがある
かつての西大陸の魔皇 アホンダウラ=パピシャスその人であることを
アホンダウラはえびきゅうの手巻き寿司を片手に
ミランを一別すると一言
「まあ座れよ」
アホンダウラは一口でえびきゅうを平らげる
「そろそろ時かな…あ 板前 俺の足と髪の毛のトロ そして 手と血のエビをくれ」
へェ早速と板前…いや ねじり鉢巻をしたマスター=サモンイントがそこにいたりする
アホンダウラはアツカンに手を延ばしながら
「私とお前は 他人のような氣がしない ただ私が魔であり お前は 人 だというだけで
私は世のなかノリが大切と思う
違うか?
人生楽しければそれに越したことはない
違うか?
誰にも束縛は受けなくない
違うか?
おっと まあ 一杯飲めや」
アホンダウラは君の杯に酌をしてくれる
「だが 我々には共通の敵がいることを
お前には解るか?
考えて見ろ
我々が何かをしようとすると必ず邪魔をして
来るあの忌々しき悪魔
輝神シリアの存在を…」
「今度は完全に抹殺できる 完全にな…
剣の王 クライス 
死の王 マスター=サモンイント=モーヴィス
不死の王 ロード=ヴァンパイア=マーカス
獣の王 ウイリアム=ドリマー
神殺しの魔剣士 ティロース そして 魔導士 グパーヌ
そして これに最強の遊び人 ミラン
破壊の女神 サディ が加わり
そして私も本氣の力を出す
これだけの者がそろえば
無敵の輝神伝説にもピリオドをもたらすことが出来よう
そしてこれ以上の人材は
もう 後の世にも 現れないだろうと確信している」
そしてマスターサモンイントはにやりと笑って
「策略によれば 破魔剣聖オーレだって陣営に引き込めぬことも無いだろうミランよ」
「計画を話そう ミランよ シリアイヤーは地獄耳だそうだな
大切なことだけを話そう
ある場所にシリアがいるという情報が入り 我々も確認した
そこにラブレターと偽ったカミソリ入りの★×♂♀な手紙を送り
我々が待ち伏せた場所に来いと誘う
もちろんシリアは短氣だからハンマー回しながらすっ飛んでくる
そこで 各々が最高の奥義をもって一氣に叩く
なーに神器で死亡したキャラクターは復活できないとちゃんとルールにあったから心配無用
しかしアホンダウラ重要参謀会議では この計略の需要課題として 
いかにしてシリアに対する℃¥$%@な文章を
うまく書けるかというのが問題が上がってきた
そこでシリアを挑発させたら右に出るものはないといわれている
ミラン=セル 君の名前が上がってきた」

アホンダウラはミランの手をとり
ザーと両目から滝のように涙を流している
「ミランよ 我々の明日への生きる希望の為に同志となってくれないか?」
クライスが言葉を続ける
「報酬はアホンダウラがエヴァンスの代わりとなり
お前の願いかなえてやろう
俺としてもあの七枚舌のタヌキより
魔皇の方が力が上ということをプレイヤー達に誇示せんとな
もちろんその手紙の差出人の名前は BY☆セイバー(笑)」
さる時刻 シリアは元帝都ハルノアのレストラン“イーマくんみぃつけちゃった”亭に
オーナー兼ウエイトレスとしてバイトをしている

大陸の歴史は ミランの勇敢なるノリの良さ−スリルに対する挑戦−にある



エミリオ解放軍の作戦会議室
シルバー総督の緊急召集によって
この場には解放軍のトップ 
軍師トニー
破魔剣聖チェスタ=オーレ兄弟達が集まっている

ジャック 「こ ここからは秘密の事だ」
トニー 「何ですかあらたまって」
ジャック 「我々の敵は一転してがらっとかわったぞ 昨日の敵は今日の友」
オーレ弟 「それでは これまでの大義が…!」
ジャック 「大丈夫だ もっと 大変な敵が見つかった」
トニー 「敵は?」
ジャック 「敵はイーマ君みぃつけゃった亭にいるぞ!」
トニー 「シルバーさま シルバーさま まず詳しく内容を…」
ジャック 「かくかくしかじか」
トニー 「え!? え!? ああの…えぇ!?」
ジャック 「トニー この作戦会議何か異存はないか?」
トニー 「あります ものすごーくあります 無茶です…
しかし 生きていらっしゃったのですか 
伝説や神話の方ではなかったのだろうか…」
オーレ兄 「私達は歴史と戦わなければならないのですかなぜ! 何の為に」
ジャック 「相手は強敵だが 味方も強力だぞ」
オーレ弟 「で、なんで降魔神軍と同盟を結ばなきゃならないんだぁ!」
オーレ兄 「あのー。私達が破魔剣聖というのをお忘れでは 私達はいちおー法(ひかり)の為に…」
ジャック 「わかってないな あれを生かしておいては 私の心の平和はいつまでもやってこない」
トニー 「それは貴方だけのではないでしょうか」
ジャック 「いや私情はまったくはさんでいない(←?)
ただな どちらにしても出てきたら厄介な人だ今のうちに…」
ぶーぶーぶーと文句の嵐
トニー 「それと もう一つ戦場はここでどうでしょう」
ジャック 「ぐぅっ!おびきよせる策はそちに任せる」
トニー 「まー まかせてくださいよ」
ジャック 「トニーお主もそうとうの悪党じゃのう」
トニー 「場所も決まった 一つ問題が誰があ奴に手紙を渡すか」
ジャック 「届けるのは俺はイヤだぞ!」
トニー 「近所のガキにおだちんをあげてというのは…」
ジャック 「よし それでいこう」
ここはユピテル解放軍ハルノア領
旧帝都ハルノア“イーマくんみぃつけちゃった”亭 
黒髪をした女のウェイトレスさんが店の中をこまめに掃除している
とそこへ一人のこどもが入って来る
ウェイトレス 「どうしたの? ぼうや」
こども 「はいおねーちゃんこれ(と手紙を差し出す)」
ウェイトレス 「? わたしに?」
こども 「うん ここのお店の黒い髪をした女の人に渡してくれって頼まれたんだ」
ウェイトレス 「その人 どんな人だった?」
こども 「んーとよくわかんないけど自称『かっこいいお兄さん』だって」
ウェイトレス 「ハハハ…なんか誰か解るような氣がする はい ぼうやこの 果物あげるね届けてくれてどうもありがとう」
こども 「ありがとおねーちゃん! じゃあねバイバーイ」
こどもがいなくなってから ウェイトレスさんは妙に嬉しそうな顔でその手紙を開く
ウェイトレス 「いままで姿をくらましてたとおもったら…直接会いに来ないとこが ま アイツらしいといえばアイツらしいケド」
ウェイトレスさん手紙の文面に目を通すと その顔が凍り付く
読み進めていくうちに頬がひくつき始めているのは氣のせーだろうか
あ手紙を持つ手がプルプルと震えてる
ウェイトレス 「あ あンのやろぉ…!!!」
ぐしゃりと手紙を握りつぶす その顔は…般若だね
かけていたエプロンをいきなり放り捨てると店の外へと駆け出る
呟きとともにウェイトレスさんの周囲を風が取り巻き
次の瞬間にはその姿をさらっていった

ある人がスカートの裾をたくしあげてものすごい勢いで駆けて来る 中央公園泉の広場         
=場所はキャロルランド
はっとそのねーちゃんが氣付いて見ると
そこにはずらーっと 2 30の人影がフッフッフッフッ…
「あ あんた達は…!」
と最後まで言う間もなく中央のえらそうなおっさんが
「進軍ー!」

そうその面々とは…
大魔王 アホンダウラ=パピシャス
剣の王 ラカンヴァネラ=クライス
冥府王 マスター=サモンイント=モーヴィス
不死の王 ロード=ヴァンパイア=マーカス
魔狼王 ウィリアム=ドリマー
破壊の女神 カザルザス=ジョルグ=サディ
古えの伝説の魔法剣士 ティロース あーんど 魔導師 グパーヌ
最強の遊び人 ミラン=セル
破魔剣聖 チェスタ=オーレ兄弟
んでかけつけた ブン=ブン=オー

アホンダウラの下知と同時に一斉に攻撃をしかける
グパーヌ 『束縛を宿せ 赤竜の瞳よ…赤竜の瞳(ルビー=アイズ)』
ねーちゃん 「…う…動けない!」
マスター=サモンイント 『この者 死せる後も永劫に蘇ることなきように 
冥府王モーヴィスの名において 輪廻の琴線を断ち切らん』
ティロース 「この『黒竜の牙』をくらいなっ!」
マーカス『汝の弱き心を映し出す万幻の魔鏡よ…』
ねーちゃん 「ひ ひぃっ!! へ 蛇が身体中にまとわりついてくる!」
クライス 「魔煌八炎陣 あーんど 『レッド=デュリアース!』」
ブンブンオー 「きゅーきょくばくれつじん 大!」
オーレ 「ティレムマクロンよ隼と化せ!」
アホンダウラ 「ひさしぶりに見せますか…『放射能核遊爆汚染!』」

ミラン 「いやー ひさびさに すかっ とした」

アホンダウラ 「跡形も残らなかったか…みなさんおつかれさまー」
マスター=サモンイント 「今ごろ冥界では…かわいそうだな鬼たちが」
そしてキャロル=ランド壊滅
しばらく大陸では平和が続いた
たった一つキャロルの耐え難い怒りが…もといシューメンもか
シューメン 「あいつだけは敵に回したくなかった ミラン=セルぅ…みらんせる みらんせる
みらんせる…アホンダウラのばっきゃろーろーろーろーろー…」
ミラン&アホンダウラ 「ひっくしょん!」
キャロル 「そうか アホンダウラとミランか」
シューメン 「(自分の頬を伝う透明な雫に触れ)まだ俺にも涙と言うものが残っていたのか…」
キャロル 「泣くなシューまたつくればいい」
シューメン 「ただ…あのメンバーの中に自分のおかーさまの姿があったような氣が…」
キャロル 「誰の親かな?」
シューメン 「キャロルIt′s you」
キャロル 「シュー姉貴に会わせろ」


メッサラーニ城砦都市 シューメン邸宅にて
キャローネ 「(軽くワインを傾けながら)憎いのか? ならばお倒しをもちろんの男(シューメン)にも協力はさせる」
シューメン 「俺もいままで黙っていたが…(歯がキランと光る)埋もれていた人材というやつを集めようではないか 誰にも知られてない勇者どもを」
マック 「ついていくのも たのしーかもな? 俺の目標も降魔神軍だし
アホンダウラ降魔神軍を倒すんだろ 協力するよ」
キャロル 「ありがとう シュー ルーベリアスを呼べ」
シュー&マック 「てめー来い! 貴様に用があるんだ!」
キャロル 「かつての戦友 サヴァとルーティにも連絡を あとジャックにも」


降魔神軍陣営にて
「アホンダウラ降魔神軍討伐に 貴君の助力を願い乞う 裏切ったら…シューより」

ジャック 「む 難しいかもしれない…」
トニー 「どうしましょう?」
ジャック 「トニー 二重スパイをするぞ」


復興中のビクトラウト市街にて
「対アホンダウラ降魔神軍戦において 貴女の助力を願い乞う…ルーベリアス」
ルーティ 「とうとうやるのね…ウーフィさんの仇はとるわ!」


降魔神軍陣営にて
ジャック 「アホンダウラさん 私の願いのほうは…」
アホンダウラ 「一つ条件がある 私が魔王の欠片(パピシャスパーツ)のままだと 太陽を掴む聖の力を持っていない
だから自分の身体をとりもどしていきたい そうすればもっと強くなれるから」
ミラン 「その身体をとりあえず取り戻しに行きましょう で どこにあります?」
アホンダウラ 「それがわかれば…」
一同 「苦労しないんだよねー」


メッサラーニ城砦都市 シューメン邸宅にて
サヴァ 「師匠ー 手紙を見てきたんですけど」
ヴェリア 「シュー 仲間がきたぞ」
サヴァ 「師匠 この赤ん坊をどこかで預かってくれませんか」
キャローネ 「大丈夫 こーなったらガキの一人や二人も かんけーないから」
シューメン 「とりあえず作戦をたてたいんだが…コンコン(机を叩く)
あのミラン=セルの処置についてだが…」
ジャック 「はいはい! それについては私におまかせを」
シューメン 「なら任せよう」
ヴェリア 「マック ちょっと出かけてくる」

ヴェリアことローラ=ドーロ フリーゾーンの“聖域”へと降り立つ
ローラ 「ひさしぶりだな」
石碑 「おみゃー だれだぎゃ?」
ローラ 「もう忘れたのか?」
石碑 「ふにゃー? ブレスー! お だれじゃ ここをあらしたのは(←アンタ)」
ローラ 「会わせてくれ」
石碑 「はーい 目を閉じてー」

“氷将軍”ローラ=ドーロ“妃聖”ラトゥヌムゥと謁見する
ローラ 「貴方を中心とした方々は出ないのですか? サンソレオ卿を連れてきてくだされば 一番ありがたいのですが」
ラトゥヌムゥ 「…サンソレオ卿は 戦死なされました」
ローラ 「どこで?」
ラトゥヌムゥ 「異世界で」
ローラ 「サンソレオ卿の遺品は?」
ラトゥヌムゥ 「すべて倒された相手に 取り込まれました」
ローラ 「貴方は動かないのですか?」
ラトゥヌムゥ 「私は争いは嫌いですから」
ローラ 「…象徴が欲しいのです 貴方の孫をもう一度いただきたい」
ラトゥヌムゥ 「断わります これ以上我が孫を戦に巻き込まないで下さい
貴方達は血で汚れています」
ローラ 「生まれたときから すでに血で汚れていましたよ 闇の血で…」
ラトゥヌムゥ 「私はそのような 隔世からの因縁だという 負蝕の個執は嫌いです」
ローラ 「俺なりに 払拭しようと 努力はしたつもりでしたが…」
ラトゥヌムゥ 「私達の憂いを 少しはくみ取って下さい
我が愛しき孫娘をもうこれ以上 酷い世に曝したくはないのです
だから 今の貴方には少し任せられません…」
ローラ 「…では 一つお伺いしたい 精霊に一番近い存在の貴方のこと
大抵の世界の事はご存じでしょう そう シリア あれは生きているのですか?」
ラトゥヌムゥ 「フフ 生きていらっしゃいますよ」

ローラ 「どこにいるかわかりますか? 大陸の英雄というからには
そんじょそこらでは死なないとは思っていましたが」
ラトゥヌムゥ 「いま 彼女には会わない方がいいですよ かなり氣が立っていらっしゃいますから…
もう少し時を待って下さい いま 会見すれば無差別クラスの破壊的力が」
ローラ 「受けきる自信はあるが…」
ラトゥヌムゥ 「あなどらない方がいいですよ 彼女の力を」
ローラ 「ならばセイバー ヤツは今どこに?」
ラトゥヌムゥ 「それは 彼女の介抱をしています」
ローラ 「それに会うこともできませんか?」
ラトゥヌムゥ 「それは出来ます」
ローラ 「どういったら会える?」
ラトゥヌムゥ 「もちろん 強くセイバーに会うことを望めばいいのです」

ローラ 「…セイバー 久しぶりだね」
セイバー 「この大陸は住みにくいだろ で オレに用っちゅーのは何だ? 手短に話せ」
ローラ 「シリアの仇を討たんか?」
セイバー 「それは心配ない 彼女は生きている」
ローラ 「いや それはさっき聞いた 実は昔のよしみで…と言うと聞こえはいいが
ちょとヤボようにつきあわんか?」
セイバー 「はー? 何に?( 吹き返す程度の死に際なら まだ修練の内だ…)」
ローラ 「敵枢軸側に強力なヤツがいっぱいいて こっちがちょっと弱いんだ」
セイバー 「つまりオレに助勢してほしいと?」
ローラ 「そうそう」
セイバー 「(ミランを見真似て)ことわるよーん」
ローラ 「何故だ?」
セイバー 「シリアが動けばオレは黙るし オレが動くときはシリアの沈黙している時だ」
ローラ 「ならシリアはいま黙っているから おまえが動けばいいじゃないか」
セイバー 「いや じきに回復するさ…おっと そろそろヤバいな そうそう最後に教えておいてやろう
今のシリアははっきり言ってすさまじく強い おまえが知ってい頃のシリアとは比べものにならんぐらいにな
この二百年オレはみっちりと戦いをしこんだそして“ヤツ”も…
もはや今ではオレと同等の…
いや(悲しげに)オレすら凌いでしまったかもしれん
…おまえの潜在霊質(マスクバリュー)はオレでも正確には掴めんが
少なくともこの大陸においては お前では手には追えんよ
そして最後に一つ いいか 絶対にシリアを一線を越えるまでは怒らすな
もしそんなことになりそうだったら何としてでも止めてくれ
さもなければ彼女が…“世界”そのものが危うくなる…」
ローラ 「…おまえ あいつに何を教えたんだ?」
セイバー 「…」
セイバーそれには答えずに姿を消すと
殆ど同時にいままでセイバーのいた場所へと姿を現す一人の妖兔の女
ローラ 「シリア…おまえ老けたな ダメージを受けて氣が立っているかもしれないが…怒っているのか?」
シリア 「…」
バーチ バチバチ(シリアから発せられる黄金色の怒りの精氣(オーラ)が弾跳し 周囲の大氣と衝突して激しく弾けている)
ローラ 「あの連中を 敵に回すのなら助勢せんか?」
シリア 「(抑えた口調で)とりあえず 連れていってもらいましょうか」
その蒼緑の瞳がローラを見る
瞬間 信じられない程の威圧がローラへとかかる かつて感じたともないほどの
ローラ 「な なんでシリアなんかに…仮にも俺は…」
シリア 「とりあえず案内を」
ローラ 「ははい…(シリアって怖い…セイバーのやろー 一体どういう教育をしてきたんだぁ!!)」


ローラの後から部屋に入ってきた一人の妖兔の女の姿に 部屋中がざわめく
特にガチョーンときたのはミラン
その表情がとーっても情けなく崩れる
シューメン 「? 誰だそいつ」
ローラ 「こいつ…この人がシリア=テルティース…さんだ」
と その瞬間
部屋中のざわめきが一際高まる
ざわざわざわざわ
一同の印象 「こ 怖い…」
キャロル 「伝説の人と言うわりには若いな」
シリアがキャロルを見る
キャロル えも言われぬ威圧感が全身を支配する
と そのシリアの顔に笑みが浮かぶ
シリア 「ありがと」
ジャック 「あ あ ああ あの御方は?」
ローラ 「だからシリア…さんだ」
ジャック「たた 確か うわさじゃ しししし し 死んだんじゃ…」
シリア 「輝神の御名において命じる ヤツら魔魔神軍との決戦を行う」
ジャック 「…」
シリア 「何か言いたそうだねぇ ミ・ラ・ン?」
一同 「なぁにぃ?!」

一斉に視線が集中する
シリア ジャックことミランを指さして
シリア 「次に会うときは 戦場で…」
指先からウィンド=テレポート
ミランこの場から消える
ミラン 「ア アホンダウラ様! かくかくしかじか」
アホンダウラ 「なぁにぃ?!」
バケツの水をひっくり返したようなざわめき
ざわざわざわざわざわ
ミラン 「私は全面的にこちらにつきます!」
アホンダウラ 「あの作戦は100%成功ではなかったのか?
…どうしよ どうしよ どうしよ 相手怒っているらしいぞ相当」
クライス 「フッフッフッ…久しぶりに血の雨が降りそうだな」
ミラン 「クライスさん クライスさん 他の大陸への航路を教えて下さい」
クライス 「ばかもん! 絶好のチャンスではないか これぞ戦だ!」
アホンダウラ 「いやー! ひぇー! きゃー!」
クライス 「フフフフ…」
アホンダウラ 「(頭を抱えて)ひぇー! うわー!」
マスター=サモンイント 「これは 地獄を見ますね」
ティロース&グパーヌ 「勝てるのか?勝てるのか?」「オレたちじゃ相手にならないってホ
ントかな?」「でもオレたち強いんだろ?」「でもあのシリアだろ? 輝神だろ?」「サディから聞かされているからなぁ…」
ミラン 「じゃ そういうワケで」
クライス 「ちょっと待てや!」
サディ 「…里へ帰らせてもらいます」
マスター=サモンイント 「…(無言でサディの襟首を捕まえる)



シリア 「ここに宣言する! 降魔神軍を 魔皇を打ち破らんことを!」
そして“妲輝伸(きせきひめがみ)”シリアを筆頭に 大陸の(ひかり)の軍勢が動いた
大陸の英雄である遍(あまねく)く司法(ひかり)の戦人たち そして 旧ハルノア帝国の残存兵力が
影(かげ)すなわち 欲望の群雄 アホンダウラ降魔神軍との最終決戦の火ぶたを切るために軍を進める

クライス 「さぁて ひさしぶりの大戦だ いいか我が降魔神軍に敗北はない!
暗の恐ろしさを 与(ひかり)のボケどもにみせてやろうではないか!」
魔王の軍勢も動いた あらゆる 妖怪 野獣 亡者 魔族 ヤミノモノどもの怪物が
比類亡き規模で大陸を進軍する
そして それぞれの思惑を胸にして戦場へと向かう 暗の側に立つ戦人達

ヒカリ と カゲ は大陸北東部の大平原において対峙した

距離をおいて差し向かうシリアとクライス
シリア 「よくもあれだけもやってくれたわね」
クライス 「戦に卑怯もクソもない勝てば官軍 負ければアホンダウラ降魔神軍」
アホンダウラ 「(クライスの袖を引っ張る)ちょっと 縁起でもないから」
シリア 「そいつは?」
クライス 「(首ねっこひっ捕まえて)アホンダウラ」
アホンダウラ 「にゃあ」
シリア 「いつ復活した?」
アホンダウラ 「昔から(ぽつり)」
ミラン 「こうなったら トニー アホンダウラのかけらを探すしかないぞ
切札はそれしかない!」
クライス 「早くしてくれよ 俺のテンションがだんだんと下がっているんだよ」
シリア 「戦いは 対個人戦になるわよ」
クライス 「いいだろう(軍全員に向かって)おまえ達に拒否権はなーい」
「承知」
シリア 「(後ろを振り返り)断わってもいいんだけど」
「…」

ミラン 「シリア 一つ質問してもいいか(えらそーに)
貴様を復活させたのは どこのどいつだ? おまえは何故 ピンピンしているんだ
あの中で誰によって助けられた」
シリア 「さあ わからないわ」
ローラ 『(ウィンド=ボイスで)ミラン セイバーが介抱していたのだけは確かだぞ』
ミラン 「セイバーの裏切りものぉ!」

クライス 「俺と戦うヤツぁいねーのか!」
キャロル 「まあまあ 貴方が出るにはまだ早いのではないかな? 順番というものがあるでしょう」
クライス 「順番も クソもねぇ」
ローラ 「…どの戦いでも勝てばいいんだろう? ラカンヴァネラ」
クライス 「当り前だ」
ローラ 「なら この俺が相手をしよう」
クライス 「いいだろう」
肩をゴキッと鳴らす 少しづつ精氣が濃昇していく
シリア&キャロル 「さぁて みせてもらいましょうか 魔皇の剣 の力を」
ローラ 「結界は張れんか? 周りを巻き込まないように」
クライス 「自分の結界じゃ 自分の破壊力に耐えられそうにねぇ 自信はねぇな」
キャロル 「フッ 貴様らの戦いで死ぬような連中などいやしないさ」
ミラン 「こらー ドレイラ おまえだけ高見の見物とは許せんぞ 出てこい」
ドレイラ 「なんで? 所詮 私はシリアの小間使い マスコットガールのようなものですよ」
キャロル 「クライス 大陸を破壊しない程度にな」
クライス 「それは 責任もてないな」
キャロル 「おまえが 本氣を出すほどの相手か?」
クライス 「たまには100%の力を出してみたいしな 
いままでどの神も出させてはくれなかっんだぜ
覚悟せいよ おまえのその力
俺が取り込んで 真の魔王 となる」
ローラ 「仕方ないね… 聖帝 見てろよ」
クライス 「おまえのその精霊に対する強制力 少しは興味があったんでなぁ 暗王 
俺の破壊の力と貴様の精霊力どちらが上か…」
ローラ 「翡翠牙と紫獄槍で勝負をしよう
 暗王 のオプションは並じゃないぜ 魔皇の剣 くん」
クライス 「そんなのオプションにすぎない 真の得物(ウェポン)とは このボディ自体にある」
ローラ 「(剣を抜き放ち 同時に力を解放しつ)いままで 生きてきた記憶は全部残っているのか?」
クライス 「知らないなぁ」
ローラ 「あるのは戦いに対する執着心だけか…」
キャロル 「ヤツが 暗き月の王(ダアクネス)か…」
ローラ 「違うな 暗王 は死んだ ここにあるのはローラ=ドーロという空ろな魂だけ
だが 俺の内の 闇渦 は蘇ってしまった
その力が生まれいでて 約一億年…完全なる 暗王 の力の復活だ…」
 暗王 が呪文の詠唱へと入った
その周囲に巨大な闇の氣が集束されていく

ローラ 『 暗の極地 暗黒の魔氣 虚無を従え地獄獣 天を裂け魔界の戦鬼
暗統べる帝王の名におき 狂氣の閃光を放て

硫瘴となせ…極魔硫閃瘴(グレン=ヴァ=フレア)!』
ドヴゥゥゥ!!!
暗黒の超破壊波動が前方へとかざした暗王の手から放たれる!
大地をえぐり大氣を焼き溶かす その瘴氣のエネルギーがクライスをとらえた
遥か地平の果てまで指向性のエネルギーが放出される
が その暗のエネルギーを割ってクライスが現れる
クライス 「魔王八炎陣 第一体型」
クライスの姿が消えたかと思うと二人になって現れる
その片われが呪文を放った
暗王 抵抗に成功
キャロル 「クライスもうそれで十分だろ?」
クライス 「たまには遊ばせてくれよ 剣 がうずいているんだ」
キャロル 「使う相手が違うんじゃないのか?」
とちらりとシリアの方を見る
ローラ 「くっ…」
新たなる詠唱に入る 暗王

ローラ 『暗駆け抜ける魔神の魂 暗支配する魔神の瘴氣 暗凌駕せし魔獣の影

暗炎−ジェグル 極滅−ソウセリス 獄浄−バリクワレン 魔漸−ヒョーク

虚無は具現す 無は存在す 

その力 暗を交えて栄える 地獄の扉は開かれん

…滅燐暗洞(フォウレエン=ドゥーラス)! 』

クライスを巨大な暗の空洞が包み込む!
クライス 「…焦りが見えるな 暗王 
おまえは 此地(ここ)での経験を あまり積んでいないからな」
ローラ 「おまえは 予想をはるかに越えている」
クライス 「はっきり言えば 幾億の時代よりも 現在(いま)が時代(とき)の方が学ぶことがいささか多い
変な時勢になってしまったものだ」
クライスが上空へと舞い上がる
そして魔王八炎陣によりクライスの姿が四人へと増える
同時に一人が呪文を唱えた!
クライス 『死黒怒沸騰獄(メキド=インフェルノ)』
暗王 抵抗 別の一人から呪文が飛ぶ
クライス 『死黒怒沸騰達獄(メキド=マックス)』
が呪文が放たれた瞬間キャロルがローラ=ドーロの前へと立ちはだかっていた
スッと右腕を差しだすとその手の平が僅かに黒く揺らぐ
シュゥゥゥゥ…
キャロルの手の平に触れるやメキドの霊質は消滅していく
完全に消え失せた後 それを一人のクライスへと向ける
キャロル 「はあっっ!!!」
同時にキャロルの手からメキドが放たれた! 
直撃を受けクライスの一人が跡形もなく吹き飛ぶ
クライス 「ほぅ…」
倒れたローラ=ドーロの身体を掴み 後ろのルーティの所へと放り投げる
キャロル 「まだ助かるだろう…さて この勝負は先が見えた 次へいこうか」
クライス 「俺はこいつを殺してしまった方がいいと思うんだが 俺の力が上昇する」
キャロル 「いちおう あれでも味方だからな」
ルーティ 「そう言えば 私はもうリアンセリの鉤呪は…」
サヴァ 「僕がなんとかします!…『大いなる慈悲を司りしリアンセリ…』」
陽門の呪文をかけようとしたサヴァよりも早く三人目のクライスが動いていた
クライス 『死黒怒騰沸包(メキド=ボム)』
ヴァウッ!
メキドの炎がローラ=ドーロを包み込む サヴァは慌てて飛びずさった
その球体がゆっくりと宙へと浮かび始める
クライスが七人へと増えた そして メキドの球体を次々と強化していく
共通門を使える魔導師達が一斉にディスペルの詠唱を始めた
複合することによって上昇した霊力がメキドの炎を消し去るが…
ルーベリアス 「信じられない! 『自然解除(キャンセーション)』は空間魔法のはずじゃないのか!?」
打ち消したはずのメキドが再び蘇ったのだ!
クライス 「死黒の閻(メキド)は破壊の極 一度現れたらもう遅い…」
クライスが一人へと戻る そして視線をシリア達へと向け詠唱を唱えた
自分の力ではクライスの霊力に抵抗することは不可能と悟った導師達は
一分の望みをかけてクライスより先に防御呪文を完成させるべく
普段よりも疾い口調で陣を構築する
シューメン 『魔装粧衣(プロール=ローブ)!』
サヴァ 『絶対防御域(アクシデント=インスランス)!』
シューメンの持つディアスの門の防御結界が
サヴァの持つリアンセリの門の防御結界が辛うじて僅かの差で
クライスの呪文の完成より疾い!
クライス 『死黒怒沸騰連撃(メキド=ブレアズ)!』
万分の一秒の差でクライスの霊力が放たれた!
シリア 『光球蓮衝殊(リム=パルス)』
シリアの周囲に発生した 無数の拳大の薄緑光球(エネルギー=ウィスプ)が死黒の閻(メキド)の力をすべて吸
収していく

キャロルはメキドの直撃を食らうがまったく変化はなかった
その身体の表面を僅かに 虚 がゆれている
ルーティ ドレイラの『完全中和域(ニュートラルゾーン)』も クライスの霊力になんとか柔和しきる
バシィィィ!!
シューメンマッハとサヴァの結界が死黒の閻(メキド)の霊力と激突する 
激しい霊力余波を放ちつつが四散したが両者の結界も同時に砕け散る! 
そして…!
バキィィィン!!
クライスの死黒の閻が唯一の犠牲者を捉えた
ルーベリアスだった
ルーベリアスも『絶対防御域(アクシデント=インスランス)』を展開しようと 呪文を唱えていたのだが
その万分の一の差で完成する前にメキドを食らってしまった

不完全な『絶対防御域』が死黒の閻が霊圧に崩壊した
一瞬にしてメキドがルーベリアスを包み込む
クライス 「ちきしょう 一人かよ…」
その 死を布黒する波動が サディの持つ烈帝ファイナルへと流れ込む
クライス 『クライス=ウォーの影響力において 烈帝ファイナルに命ず
汝の虚を実に 実を虚に その力 我に与えん 
メキドが破壊の力 再生の力にかえんがために』

と メキドの波動が 烈帝ファイナルの力によって変化する
烈帝ファイナルを経由した それはクライスを包み込む
そして見る間にクライスの傷が癒えていった
クライス 「これが剣の影響力だ…どうやら第一ターンはこれでおしまいのようだな」
マスター=サモンイント 「… 暗王 強くなりますかね」
クライス 「さあな 俺としては殺しておきたい が…まぁ期待はしようか」
マスター=サモンイント 「承知」
マスター=サモンイントが指を鳴らすと死黒閻の球体の色が黒から一瞬青白く変化する
そして次第にその姿がメキドもろとも薄れ消えた
マスター=サモンイント 「冥界の最下層 X次元の 蓮華獄断層列 へ幽閉しておきました 
無論 四次元(とき)の女神(めがみ)の力も及ばぬような…」
クライス 「さぁてと…」
そして クライスは悠然と大地を見おろした         
折しも天空にはどす黒き暗雲が沸き起こり 不氣味なまでの妖氣を放っていた
天はその姿を見せない
まるで何かにおびえ姿を隠しているかのように
垂れ込めた雲の内側で遠く雷鳴が轟いている
まるで叫びを上げているかのように
そう 天は知っていたのかもしれない
この後 この戦いよりもさらに激しい死闘が繰り広げられることを
 与(ひかり) と 叛野(かげ) をかけた最強にして最凶の戦いが…




>>次が章ゑ




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